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立川でクロマニヨンズのライブ。

 今年も無事ツアーの季節がやってきた。

 会場はたましんRISURUホール。発券したチケットには3列と印字されていて、個人的には過去一の良番だった。席を探すと前から2列目の椅子に「3列」と表示されている。先に座っていた方に「すみません、ここ何列目ですか?」と尋ねると「3列目ですよ。1列目がないみたい。」と教えてくれた。前から2列目でクロマニヨンズが見れることになった。

 前説が始まった。コロナの世の中になってからは以前より抑えめのトーンだ。声は出していいけどずっと歌うのはだめというようなことを言っていた。注意事項が読み上げられる度に拍手が起きていた。

 ライブ本編は言うまでもない、ディスイズロックンロール。噛み締めてる場合じゃない。圧倒されっぱなし。最高最高最高。

  最前列とステージの間でカメラマンの柴田さんが写真を撮ってた。後ろのお客さんの邪魔にならないよう、ずっと膝立ちで移動してた。絶対に立ち上がらなかった。柴田さん自身も体を揺らしライブに溶け込んでいた。

 10年くらい前まではヒロトは年を取らないと思ってた。そんなヒロトもさすがに年を取った。雑誌の写真なんか見ると、顔にはしわも入り肌の質感も変わってきた。ヒロトはいつも誰に向けてでもなく歌っている。全力で歌っている。ただ歌っている。それはもう食べるとか寝るとかと同じ意味合いで。「ただ生きる」。

 毎年ライブに行ってると見たことのある顔の人が何人もいる。ひとつの目的のために人が集まるということに毎回感動してしまう。きっとみんなギリギリの日常をなんとかしのいで生き延びてる。ヒロトはそれをわかってる。だから「よく来たなあ。」と言ってくれるのだ。
 
 僕は死ぬのが怖い。年をとるのが怖い。クロマニヨンズのライブに行くと生きてる仲間を見ることができる。何十年も前から同じ目的で同じ場所にその日だけ集まってくる。それを見るのが密かな楽しみでもある。みんな生きてる。僕も生きよう。

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