見出し画像

東京ドームシティホールでクロマニヨンズのライブ。

 個人的にはヘイワンダーツアーの最後。申し込んだ時は6月なんてまだまだ先だと思っていたけど、あっという間だ。当日はドームで巨人戦があって、敷地内は圧倒的に野球のお客さんが多かった。

 会場はスタンディングでキャパも大きいため、1時間前から客入れをしていた。入ってからが地味に長い。あいのロックンロールが始まると僕らはもみくちゃになり、ぶつかり合う体の痛みが懐かしかった。水をまいたり、ダイブしてる人もいた(もちろんだめです)。

 クロマニヨンズはほぼ毎年アルバムを出す。素敵な曲がたくさんある。ツアーが終わるとその大半は2度とライブで聴くことができない。

 今回のアルバムが発売される前、先行してラジオで流れたのが「メロディー」という曲だった。聴いたときに涙が出てしまったくらいの名曲だ。もう二度と聴けないかもしれない、このライブではそんな気持ちで聴いていた。ヒロトはその場から動かず、目を閉じ、体を左右に揺らしながら歌っていた。「片道ぶんの力が欲しい もう帰らない それでいいんだ」のところで拳を握りしめていた。

 ヒロトはずっと同じことを言っている。ハイロウズのハスキーという曲もそうだ。すごいと思う。若いうちに生き方が確立して、今も変わらない。「無限にあなた」のところで客席に向かって手のひらを広げた。

 アンコール前、みんなでタオルを掲げる。ヒロトはうんうんと頷きながら客席を見渡し、「全員覚えたぞ、また来いよ。」と言った。

 ライブが終わってメンバーがはけていくときに、ヒロトとマーシーが肩を組んで手を振ってくれた。ああ、終わってしまった。もう二度と演奏されない曲(メロディー)、それでいいんだ。

 

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?