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2022/10/6 佐野元春&Hoo Boo King Band 「Smoke & Blue」

2019年にビルボードライブ東京で、佐野元春に再会した。
その夜のステージは、たくさんのライブを観たと自負する私でさえ、完全にノックアウトされるほど素晴らしかった。
そして今宵、まさに、仕事も適当に(いや、真面目に取り組みましたよー・笑)みんなが待ってる店まで、急げ!急げ!
と駆けつけたビルボードライブ横浜。
会場内に足を踏み入れてびっくり。

「ステージ、近い!」

かぶりつきで観たら、間違いなく死ぬやつ!
私はといえば、もう気分がハイになっちゃって、笑いが止まらない。

客席の上にある3機のシャンデリアが消えて、白いスーツのゴッドファーザーMoto、登場!思わず仰け反った!
今回の衣装が白いスーツなのは、あらかじめ知っていたけど、予想以上の破壊力!

ミディアムなテンポの「ハッピーエンド」「僕にできることは」と続くが、ステージのメンバーも客席もリラックスしていて、大人なムードがたまらなく心地よい。


砂漠に一輪のバラが咲くようなエレキギターが鳴っていたのは「地図のない旅」だったか、「ブルーの見解」は、更にスリリングになっていた。

佐野さんのセルフカバーはいつも、オリジナルを凌駕するようなアレンジが施され、曲に新しい命が吹き込まれる。
私が長年応援している、3人組のあのバンドは「ファンは保守的」と言っていて、ライブでもセルフカバーする時でも、原曲を忠実に再現することが多い。
私は、常々そのことを疑問に思っているのだけど、それに対するひとつの答えが「Smoke & Blue」にはあると思う。

耳まで赤くなりそうなMCで紹介された「7日じゃたりない」
この衝動を、16歳の少年に聴かせてあげたい。

せっかちに脚でリズムを取りながら、上手のドラム・古田たかしさん(通称:しーたか)と呼吸を合わせ、今度は下手のkyonさんと笑顔を交わす。
今夜このステージで、この仲間たちと演奏する歓びに溢れていて、私もうれしくなる。
しーたかのドラムが、ドッカンドッカン叩き出されるのが、また最高だ。

キャパ300人の小さなハコだからか、いつも以上に言葉がダイレクトに響いてくる。
その言葉を聴きながら、「やせ我慢は江戸っ子の粋」と言うけれど、どんなに大変な状況でも佐野さんは「大丈夫。へっちゃら」と、笑っていたい人なんだろうなあ、なんて思った。

「Smoke & Blue」では、新曲をお披露目するのが定例らしく、今回はHKBも好きなブギウギナンバーが演奏された。
「ルル」という、ちょっとイカれた娘の歌だったけど、弾むリズムがご機嫌だ。
そして、間奏のkyonさんのピアノが、それはそれはものすごくて!
ショパンやベートーヴェンを流麗に弾くピアニストーーー例えば反田恭平さんーーーは凄いなあ、と感動するのだけど、ブギウギなピアノをバッキバキに弾き倒すky Onさんも凄すぎる。

ライブ後半戦に、2階席に親指を立てた佐野さん。
あのサムズアップをいただいたの、誰ですか?!
羨ましかったぞ!

腕時計をチラ見してからのアンコールは「最新マシンを手にした子供達」
野太い歓声が場内に響いて、うれしさを爆発させた瞬間。
感染対策の徹底を促されていても、みな心が動いたのだから、これは誰にも咎められないだろう。

佐野さんはタンバリンを激しく鳴らし、ky Onさんはギターをハウリングさせて、高く高く昇っていく。
かっこいい!!

最後のお別れのご挨拶は

「夜はまだまだ長いから…Make Loveして!」

…と、佐野さん、またまたとんでもないこと、言った!

こっちが照れてしまうようなMC含め、一流のライブに大満足。
終演後も、余韻に浸りながら、各々お酒とおしゃべりを楽しんでいて、1920年代の禁酒法時代にタイムスリップしたみたいだと思った。
「かわいい」より「かっこいい」が今の自分にフィットするな、そんなことを想った、横浜の夜だった。

そして、新曲「ルル」の音源化、激しく希望します!


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