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水曜日のダウンタウン檸檬堂CMドッキリに見る「仕掛け」の強烈さ


今週の水ダウは
「うそみたいな現場だけど本当にコカ・コーラ社『檸檬堂』の
CMに出演できる」という「CMホントドッキリ」でした。

ルールはこんな感じ。

❶「檸檬堂のCMに出演できる」と5人のタレントを呼ぶ。
❷わざと「ドッキリっぽい演出」を仕掛け疑わせる。
❸「ドッキリだろ」と指摘したら失格。
❹最後まで残った人がガチでCMに出演

この時点でコンテンツとして最高に面白いのですが、凄いのは僕が「檸檬堂を飲みたい」と思ってしまった点。

普段はお酒を飲みませんが、それでも「飲んでみたい」と思いました。僕の地域では今日が缶ゴミの日。檸檬堂がちょこちょこ捨てられてたので、PRは成功だったんじゃないでしょうか。

ここで気になるのが「なぜ飲みたいと思ったのか?」という点。それは「そう思わせる仕掛け」がたくさんあったから。

ここからは完全に主観と想像で書くので外れてる部分も多々あると思います。ご容赦ください。

あと、本当はツイートに連投しようと思って書き始めたのが、思いのほか長くなっただけなので、割とサラっと書いてます。

ちなみにドッキリをかけられたのは以下の5名でした。

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【仕掛け①】ドッキリの中に「撮影の休憩でスタッフ全員が檸檬堂を飲む」
というくだりがあったこと


CM撮影の休憩中に、スタッフが全員「檸檬堂」を飲み出すシーンがありました。

小峠さんが
「休憩中にアルコール摂取するのは見たことない」
「職場として良くない」
「疲れているから飲んでいいというものではない」
「風紀が乱れている」
とツッコんで失格になる場面です。

シンプルに面白いのですが、それよりも

・美味しそうに飲むスタッフの様子
・仕事中にアルコールを飲む憧れ
・「俺も飲みたい」という顔の鈴木もぐらさん(視聴者の代弁)

という点で視聴者の「飲んでみたい欲」を刺激してる。これがまず凄いなと思いました。狙ってやってるんだと思う。


【仕掛け②】試練を乗り越えてCM出演を勝ち取った鈴木もぐらさんのストーリー

数々の違和感に他の出演者がツッコミを入れまくる中、もぐらさんだけは一生懸命CM撮影に協力します。

その姿が健気に写り、僕は途中から「もぐらさんに決まってほしい」と思ってました。

対照的にナダルさんは気怠い態度です。ボヤきまくるし。人によっては「ナダル嫌なやつだ」と映ったと思う。

この「もぐらさんとナダルさんのコントラスト」が、ストーリーに起伏を作り強く印象に残りました。

ナダルさんは最初の打ち合わせからコーラ社に対して媚び全開。歯の浮くセリフを並べ立てて猛アピールします。

しかしドッキリを確信した瞬間から手を抜き始める。その後の粗い展開にもイライラしてしまい、ドッキリを疑って失格になりました。

ネタバラシの後も悪態をつき続けた挙句、「疑わずにいたらCMに出れた」と聞くと再び媚び始め、失格が覆らないと分かってまたキレだす。

人間の嫌な部分を全開で出すナダルさんが、番組にメリハリを作ってる。

視聴者の嫌悪感を引き出すための、狙ったキャスティングだと思います。

あえて闇を暗くして「もぐらさんに決まって良かったな」という雰囲気を作る。これも凄い仕掛けだなと思いました。


【仕掛け③】一連のドッキリ自体がCMのメイキング映像になったこと。

ただ単に見るCMとメイキングを知ってるCMでは印象がまるで違います。
今後このCMを見るたびに、

・小峠さん、小田さん、橋下さんが面白かったこと
・ナダルさんを嫌なやつだと思ったこと
・もぐらさんを応援したいと思ったこと
・檸檬堂を飲みたいと思ったこと

みたいな感情が蘇ってきます。全部は蘇らなくても「なんか面白いことやってたよな」くらいは朧げに思い出すはずです。

人は単なる「情報」よりも、ほぼ無意識レベルで覚えられる「感情」の方がずっと記憶に残ります。


このドッキリでは色んな「感情」を揺さぶられているので、より長く記憶に定着し、結果的に檸檬堂がロングセラーになるんだと思います。


【仕掛け④】コマーシャル感が全くなかった

この放送はおそらくですが、コカコーラ社が大きな広告費を支払ってると思います(テレビ関係者じゃないので間違ってるかもしれません)。

番組全体を使ってPRしてるようなものなので、広告効果は抜群なはず。

ただ、こういう商品紹介系の企画は「案件っぽいな」と思われることが
多いと思います。YouTubeとか露骨な人多いですよね。

しかしこのドッキリは過去コンテンツに絡ませることでコマーシャル感がほぼありませんでした。

水曜日のダウンタウンでは、過去に「三四郎小宮 週刊誌ホントドッキリ」という企画を放送してます。

詳細は割愛しますがドッキリの内容が似ています。今回は「その企画をバージョンアップしたものだ」という説明から入ったので、案件っぽさはありませんでした。すごい。

最近の視聴者は目が肥えててステマとかに敏感です。そういう人でも、今回は気にせず視聴できたんじゃないかと思います。


【おまけ】キャスティング意図について勝手に考察

キャストが発表された段階で、誰に決まるか予想しながら見てました。

そうしてると製作側のキャスティグ意図なども考えてしまいます。僕はこのように考えました。

小峠さん、橋本さん➡︎キッチリとツッコミを入れる担当。製作側としても「企画を成り立たせたい=ツッコミを入れて失格する人を出したい」と思ってるはずなので、場況を冷静に俯瞰できる芸人さんを入れたがるはず。その担当がこの2名だったと思います。

ナダルさん➡︎ゲス担当。強者にへつらい弱者を見下す系の人が1人いるとメリハリがつきます。視聴者は嫌悪感を持ったり共感したりする。だから絶対に必要なポジションです。でもその役目を果たせる人がほぼいない。通常のモラルやマナーがあったら面白くないし、空気が読めないと番組が成立しない。だから「人間性はアレだけど空気が読める人」じゃないとダメです。これができるのは他にクロちゃんとかあかつさんでしょうか。この3人の酷使っぷりが凄いのも頷けます。

小田さん➡︎ランダム担当。どう出るか分からないけど面白くはなるだろうという意図だと思います。トレンド的な数字持ってるし。ツッコミは的確で実力も申し分ないのに、どこかテレビ慣れしてない感じが新鮮です。最初の段階では「クライアントに強くは言えないだろうから最後まで残るかも」と思ってましたが、まさかの最初に脱落でした。予想できなかった。他の芸人さんだとアントニーさん・春日さん・マジラブ野田さんとかが似てるイメージです。

もぐらさん➡︎本命担当。おそらく本命だったのでは?と思います。お金が好きで強めのツッコミをする人じゃないので。ボケ側の人だし。欲と目上に忠実そうなのも安心できます。良い感じにトレンド的な数字も持ってそうなのもポイント高いです。CM決まったあとに「ギャラの使い道はもうすぐ生まれる赤ちゃんのベビーベット」とコメントしたのはファインプレーだと思いました。後味が良かった。


最後にどういう順番で撮影したのかを予想します。答えが分かるはずないのですが、自己満で書いてみます。

小田さん➡︎もぐらさん➡︎橋本さん➡︎ナダルさん➡︎小峠さん

かなと。制作側の視点に立って考えると、なるべく早期に「達成者」を出したいはずです。なのでアンパイから切った可能性が高い。

小田さんが最初だと思う理由は「早期失格したのに続行したから」です。とりあえず撮れ高を増やそうとしたのではないかと考えました。

次点がもぐらさんなのはアンパイだからです。橋本さんとの前後は逆かもしれません。

ナダルさん小峠さんが後ろなのは、途中で撮影を切り上げてるからです。失格になったタイミングも微妙でした。

見てて「明らかにツッコミを入れたか?」と言われるとそんな感じはしない。小田さんの方が露骨でした。

この時点で「最後までいく必要はない状況だった」と考えると、撮影順は後半だったと考えるのが自然です。


【おわり】

おわりです。だから何だ?と思われそうな内容でしたが、ずっと考えてしまいどこかに吐き出したかったので書きました。

最後までご覧いただきありがとうございます。

では。



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