【365日のわたしたち。】 2022年3月22日(火)
雨に濡れた傘を、傘袋にしまうのが嫌いだった。
それまで冷たい雨から守ってくれていたくせに、指先が冷たく濡れるのを感じると、最後の最後で裏切りを受けたような気持ちになる。
こんなこと、きっと誰に言っても「わがままだなぁ」と笑われて終わるのだろうと、誰にも話したことはなかった。
わがままに聞こえるかもしれないけれど、
もし胸の奥に「ココロ」というものがカタチあるのだとしたら、
その「ココロ」が、声も上げずにただ涙を一雫こぼすような気持ちになるのだ。
彼にはそんな気持ち