特許を取るまでの長い道3

ウチに着付けを習いにくる生徒さんはちょっと変わった?(笑)方が多かった。

オペラ歌手のかさねちゃん。彼女は和服でオペラの舞台に立つことになってお稽古も浴衣でやることになったから大急ぎで着物を着られるようにならなくちゃいけないんです。ってことで1日マスターコースを受けた。

旦那さんが突然の海外赴任となり、アブダビ大使館に勤務になってしまったNさん。夫婦同伴のパーティーがあるときは和服が好ましいとのことで3日で着られるようにならなくちゃってことだった。

性同一障害のHさん。体は男性だけど心は乙女な方で一般的な大手の着付け教室では受け入れてもらえないとのことでうちにいらっしゃった。和服を着られるようになったときのうれしそうな顔は今でも忘れません。

大手着付け教室の無料着付けレッスンを受けて結局着物を買うことになってしまったYさん。大金払って着物を買ったのでどうしても着られるようになりたいとのことでした。無料着付け教室じゃ着られるようにならなかったようだ。大手着付け教室の無料レッスンは怖いですから気を付けてくださいね。

娘さんに振袖を自分が着付けしたい。というお母さまもいらっしゃった。
娘さんは身長が高い方だったので身長5尺の私は風呂場用のイスに乗って身長をアップさせて振袖着付けのモデルになった。

そして高校の先生。茶道部の顧問になることとなり和服を着られるようにならなくちゃとのことでいらっしゃった。お子さんがまだ1歳で一緒に連れてきた。レッスン中は傍らの座布団に寝かせた。帯締めの房でほっぺや足の裏をコショコショするとうっとりする1歳男児だった。私は彼の「紐で戯れた最初の女」となったのだ(笑)

いろんな生徒さんがいらしたが共通する点は「なるはやで着られるようにして!」というご要望だった。

着付けで一番の難関は帯を締めることだ。帯のお太鼓と呼ばれる部分を作るのが体の後ろで行う作業なので慣れるまで難しい。この工程をできるだけ簡単にすることが着付けを早期マスターするためには必要なことだった。

そこでいろいろと知恵を絞ってある方法を思いついた。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?