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退職

2021年もあとわずか。今年もいろいろなことがあったが、個人的に何よりも大きなイベントだったのは、この12月をもって今の職場を退職するということである。

思い起こせば約20年弱、この世界に身をおいて仕事を行なってきた。今回退職という決断をしたのは家族の事情ということに他ならないが、私自身がまいってしまったというのも事実である。本来興味があって楽しくてやりがいを感じられる仕事だと思い、また一生に一回くらい本気で頑張ってみようと思って飛び込んだこの世界。その時の気持ちは今でも鮮明に覚えている。

しかし、どうにもならない家庭の事情のため、自分自身が壊れてしまう前に、また他の世界を知りたいという非常に強い興味のため、無理言ってこの退職を受け入れてもらった。後悔は全くなく、今は非常に清々しい気持ちを感じている。

私が退職することで、残された他のメンバーに負担がかかるのは事実で、そのことは申し訳なく思う。ただ、これまで私の非常に近い人が退職して今後どうなることやらと思ったことはあったが、その後は不思議と何とかなり、何事もなかったかのように日々が過ぎていった。おそらく私が辞めた後も何事もなく職場は周り続けるのだろう。社会とはそういうものだと思っている。

こう書くと少しドライな印象を持たれるかもしれない。実際私も今回の退職は個人的な事情のため、最低限の挨拶のみ行い、ひっそりと立ち去ろうと思っていた。そんな時、職場の後輩が突然私の席にやってきて、目にうっすらと涙を浮かべながら、「ご迷惑ばかりかけてすみません、今まで本当にお世話になりました。」とお菓子を持ってきてくれたのだった。

すごく驚いた。

この後輩は最近自身も体調を崩しており、なんとか頑張って仕事を行っているような状況であり、私自身のほうが大変申し訳なく思っていたところであった。そんな後輩が私を気遣って挨拶に来てくれたのだ。思わずこちらももらい泣きしそうになった。自分が大変な時であっても人のことを気遣える後輩の素敵さ、かっこよさに心から感激した。素晴らしい職場で働けていたのだなと最後の最後で気づくことができた。

もう数日で終える今の仕事。仕事の内容はもちろんではあるが、素晴らしき人たちとの出会いが本当に財産であったと心から感じる。

みなさま、今まで本当に有難うございました。

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