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蓄積と機会

前回お話しした星の市(2007~参加)では、ビデオ撮影のほかにイベントの準備、設営、運営なども経験させてもらいました。これが実に楽しかった。準備した事が形になり、スタッフが動いて血肉が通い、お客さんが楽しんでくれる。これまでにない経験でした。
面白くなってしまった私は、興味のわいた他イベントを見学しに行くようになりました。
そんな中で衝撃を受けたのが札幌で開催されるアートマーケットと音楽ステージの複合イベント(2008年)でした。主催者のセンスと考えが会場全体にちりばめられ、何よりその空間にみちた空気感がとても魅力的なイベントでした。
「センスいいというか、なんだここはディズニーランドか?」
外とは違う空気が醸し出されている様子に私はそのように感じたのです。

こちらのイベントの主催者R氏をご紹介頂いてお会いする事ができました。
たまたま小樽にいらっしゃるというので、小樽在住の手作り作家さんの作品を集めたお店を見に行くのにご一緒させて頂き、星の市のリーダーが営む喫茶店でお話など聞かせて頂きました。

他にも活きる、繋がる

その後星の市も見に来てくださったR氏は、私が家庭用にしてはややゴツイカメラを振り回して撮影している様子を見てくださり、ご自分のイベントスタッフにと誘ってくださいました。これはびっくり!
なんでも、子供の夏休みの自由研究づくりに向けて、「お菓子で家を作っちゃおう」、というもので、特製のクッキーやお菓子をアイシングで結着してミニチュアの家を作る、というイベント。会場が2階建てで狭いので、作成は2階、お母さんたちは1階でお茶をしながら待たなきゃいけない。でも、ただの待ち時間じゃつまらないから、子供たちの様子も見せたい。だからカメラを入れて、線をずーっと引っ張っていってテレビにつないで、一階でも見れるようにしよう。でも、それなら、いっそテレビ番組みたいにアナウンス(その後友人になる某FM局のアナウンサーM氏)と解説を入れよう、という遊び心満載。大変ワクワクして、撮影係で参加させて頂きました。三脚にカメラを固定し、会場の一隅から全体を撮ったり、子供たちのコメントを受けたり、ということでよい、と言われていたのに、アナウンスが子供たちの作品に及ぶと、ついついカメラを動かして、話題にのぼっているところを撮りに行ってしまったりと、なかなかの悪乗りぶりも出してしまいました。

ビデオカメラで撮影を始めて、思い切ってこのゴツイカメラを買わなかったら、この出会いはなかったのだなぁ、とつくづく感じるのですが、話はこれで終わらなかったのです。

ちょっと戻って細々したこと

話を星の市に戻しますと、こちらのイベントでも、実にたくさんの事を経験させて頂きました。先に述べたミュージシャンのブッキングなどは、まだきっちりした方の仕事で、通りのベンチを運んできて並び替える、とか、ポスターを作る、ブログ記事を書いて宣伝する、予算管理をする、会計を見るなど、役割分担もありましたが、色々なことを経験しました。この頃から画像ソフトを独学で使い始めたんですね。
もちろん、それまでの仕事の中で経験したこともあり、この場合はそれが役に立っているわけですが、これは初めてづくし、ということがありました。
「CD作成」いや、今思えばとんでもない話なのですが、すずさんの歌をパソコンで一発録りして、CDに焼き、ジャケットもパソコンでデザインして印刷して歌詞カードも入れて、帯も入れて、フィルムで包んで売ろう、という話でした。まあ、それでも全部やったんですよ。クオリティはどうか別として。。。すずさんには今となっては申し訳なかったのです。何にも知らなかったから恥ずかしげもなくできたんですね。。。まあ、しかもそこそこ売れたんですよ、トータルで何十枚かは。
販売するにあたって、大学時代に学んだ原価計算と損益分岐点分析を用いまして、何枚売れば原価は回収できるか?というアプローチもしていました。ただ単に値段をいくらにして何枚作ればいいのか、全く見当がつかなかったので、ガイドがほしかったのです。実はこれも後のモデルケースになりました。

そんな状況が積み重なったある日

ひょこっとR氏から、「PV撮りません?」というお誘いを頂いたのです。
おお、このカメラがいるのね、と思い協力をさせて頂くことに。
撮影当日に引き合わされたミュージシャンの方と一緒になり、「シチュエーションは決めますけど、絵柄はお任せで。」と撮影時の画面のセットは任せて頂く流れだったので緊張緊張。自分でいいのか?と思いつつ、カメラをセットして覗き込みましたら、おお、この配置しかないじゃないですか?という感覚がありましたので、そのまま撮影。
みなさんにもOKを頂きまして、役目は果たせたのであります。
これが私とMくんとの出会いでした。

こうして、ひとつ経験したことでできることを増え、それができることで次の楽しいことがやってくる、というサイクルが、この辺りから始まったのでした。

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