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【2024年夏コミ(C104)】カップリング表記ランキング(速報版)

今年も気づいたらもう8月。夏コミです。つまり毎コミケ恒例「カップリング表記統計」のお時間です。今回もまただいぶギリギリの日程なので、あくまで暫定版の速報値としてのご報告となります。確定値は改めてTwitter(X)でお知らせいたします。

■C104概況

今回の夏コミは約24,000スペースで、昨年冬コミからだいたい2,000スペース程度減少しています。ジャンル別で見ると、「ブルーアーカイブ」「FC(少年)」「コスプレ」あたりが増加しているものの、他のジャンルは二次創作系を中心に軒並み減少しています。ただ、C102→C103の時にスペース数が大幅増だったので、それが元に戻っただけかもしれません。それと、1サークル2スペースのところが約1,500サークルと、だいぶ増えてきています。そういえばこのカップリング表記調査では、1スペースでも2スペースでも「同じサークルが同じ表記を書いている場合は1表記としてカウント」というルールで行っていますのでよしなにお願いします。

カップリング表記数としては前回約4,000→今回約3,200とやはり減少しています。スペース数の減少に伴って2割減というかんじですが、昨年の夏は約3,400表記だったので、実態としては微減程度となっています。ただ、表記の内訳を見ると去年の夏とは決定的な変化が生じていました。

■作品別表記数ランキング(TOP20)

作品別カップリング表記数ランキング【2024夏(C104)】

カップリング表記の作品別ランキングですが、ついに「オリジナル(一次創作)」がトップに立ちました。これはコミケ史上初です。これまでコミケと言えば二次創作のイメージが強かった方も多いかと思いますが、少なくともカップリング表記という観点では「今のコミケは一次創作が主流」と言っていいと思います。たしかに特定の作品を指していない「オリジナル」を個別の作品と並べて比較して意味があるかという話はありますが、同じ集計基準で何40年分のデータを集計してきて今回が初めてのトップなので、コミケに何らかの変化が起こっていることは間違いありません。あとはこの変化が今回だけの特殊なケースなのか、この後も続くのかは継続してウォッチしていきたいと思います。

2位は先日9周年を迎えた『Fate/Grand Order』。常に新しいサーヴァントが登場するため表記の内訳は頻繁に変化していますが、これだけ息の長い人気なのはさすがです。3位は今回もサークル数・表記数ともに増加で絶好調の『ブルーアーカイブ』。pixivの検索ランキングでも常に上位にいる強作品です。しかもゲームの統括プロデューサーがコミケのサークルを直に見に来るという「授業参観」が行われている作品でもあります。昨今はカード会社とかカード会社とかカード会社からの厳しい取り締まりがあったりする時代ですが、こうやって公式が安心して二次創作できる環境を作ってくれているのはとてもよいことと思います。

■作品別表記増加数ランキング(TOP20)

作品別カップリング表記増加数ランキング【2024夏(C104)】

こちらは作品別の表記増加数ランキングです。みんな知ってた結果とは思いますが、共有しておきます。もちろん1位は『ゲゲゲの鬼太郎』。実態としては『ゲゲゲの謎』がほとんどですが、それにしてもすごい勢いです。そういえばネットで話題になっていたので私も映画を見ましたが「父水のシガーキス」がどこにもなくてびっくりしました。みんなナチュラルに公式のように描いていたのにと狐に化かされたような気持ちになったのを覚えています。今ではインターネットこそが人を化かす妖怪なのかもしれません。
と、夏休みの感想文はこのくらいにしてランキングに戻ると、初登場組では『Fate/Samurai Remnant』が3位にランクイン。こちらはFGOのコラボイベで見ましたが、やはりマスター⇔サーヴァントの関係性がとても上手くてカップリング人気があるのも分かります。そして毎年新作が出てランクインしてくるシリーズ物では『わんだふるぷりきゅあ!』と『仮面ライダーギーツ』。やはり安定して人気があります。それとアニメの出来が素晴らしかった『葬送のフリーレン』。公式がさいつよの作品ではありますが、やはりifを書きたくなる気持ち、原作ファンなのでとても分かります。で、逆に全くわからないのが「なんで急に『学園ハンサム』が増えてるか」ってことなんですが、有識者の皆様よろしくお願いいたします。

■カップリング・カップリング表記ランキング(TOP20)

カップリング・カップリング表記ランキング【2024夏(C104)】

カップリングランキングトップは前回に引き続き『TIGER&BUNNY』の「兎虎」。本当に根強い人気。しかもこの全体で2000スペース減ってるというご時世になぜかサークル数も微増しているという不思議な作品。たしかに昨年2期の地上波放送があったりしましたが、それにしても息が長いですね。素晴らしい。
それと前回の記事でも書きましたが、やはり今の時代のカップリングは性別構成も多様です。トップ20は「男性同士:7種類」「女性同士:10種類」「男女:3種類」という構成で、前回に続いて女性同士が最多となっています。つまり百合バンザイ。後日の調査ではこの構成の変化も時代とともに追ってみたいと思います。楽しそう。

最後にカップリング表記ランキングは「おねショタ」がトップ。「おねショタ」をカップリング表記として扱うかは既に通った議論なので以前の記事を参照してほしいのですが、それにしてもこれで3開催連続トップです。ヤバいですね。以前の日本はよく諸外国から「ロリコンの国」なんて呼ばれていたわけですが、今は自信を持って言えます。「日本はおねショタの国」だと。これがCOOL JAPANの正体です。はっきりデータに出ているので確定的に明らかです。

ま、それはそれとして、あとはVTuber絡みの表記も増えています。VTuberの場合、コラボ名とカップリング表記が同じだったりする(ランク内では「miComet」とか)ので、カップリングよりライトに使われている雰囲気がしていますが、今のところ可能な限りカップリング表記としてカウントしています。このあたりの空気感はアイドルのシンメとかにも近いかなと感じていますが、門外漢なのでそのあたりのお話は有識者にお任せいたします。

というわけで今回はここまで。コミケも来年50周年という今になって、わりと大きな変化が起きている気がします。私のコミケカタログの調査も残り2開催を残すのみとなりましたので、これが完了すればコミケでのカップリング表記の歴史を一気通貫で見れるようになり、大きな変化の流れも可視化できるのではと考えています。楽しみです。

それでは、本当に暑い日が続きますので、体調に留意しつつ夏コミを楽しんでいきましょう。いのちだいじに。

それではよい夏コミを!


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