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バイク用スマートモニターを売っている業者に物申したい

バイクにスマートモニターを取り付けている人がだいぶ増えていますよね。
私もほしくてAmazonのセール中にいろいろ物色してみました。
検索すれば、すぐに様々な販売店でバイク用スマートモニターが売っています。

メージャーどころからマイナーどころまで様々です

ただ、この手の製品は、無線でスマホと接続するため、電波を発します。
そのため、電波法に違反しておらず、かつ、技適を取っている製品を購入者が選択する必要があります。
また、技適を取っていたとしてもあくまで屋内利用しかできない電波帯を使った製品で技適を取っているものもあり、非常に注意が必要です。

Amazonで売っている多くの中華製スマートモニターは2.4GHz帯と5.2GHz帯の電波しか使えないものがほとんどだと思われます。
スマホと最初に2.4GHz帯のBluetoothで接続し、その後、5.2GHz帯のWi-Fiでスマホと接続して利用するような動きをしますが、このような利用では、5.2GHz帯は日本で屋外利用することはできません。

屋外ではWi-FIを使う際は注意が必要

5.2GHz帯のWi-Fiを屋外で使うためには、一定の条件下でのみ日本では許されています。

総務省の電波利用のホームページの「無線LANの屋外利用について」というページには以下のように記載されています。(2024 年6月9日現在)

※5.2GHz帯の屋外利用の条件
5.2GHz帯を屋外で利用できるのは、以下のいずれかに限られます。
(1)5.2GHz帯高出力データ通信システムのアクセスポイント又は中継器(事前に総合通信局に「登録局」の手続が必要)
(2)5.2GHz帯高出力データ通信システムのアクセスポイント又は中継器と通信する無線LAN端末(子機)
(3)5.2GHz帯自動車内無線LAN

https://www.tele.soumu.go.jp/j/sys/others/wlan_outdoor/

特にこのページの記述の中で下記の記述があります。

これまで屋外利用可能な周波数帯は2.4GHz帯と5.6GHz帯でしたが、平成30年2月に情報通信審議会からの一部答申を受け、平成30年6月から条件付で5.2GHz帯の屋外利用が可能になりました。

https://www.tele.soumu.go.jp/j/sys/others/wlan_outdoor/

しかし、これは屋外で利用する場合は事前に総務省にアクセスポイントの届け出が必要になります。
バイクで利用するのに届け出済みのアクセスポイントのそばしか走らないというシチュエーションは、なかなか特別なシーンぐらいだと思うので、実質、外では5.2GHz帯はバイク用スマートモニターでは使えないと判断してよさそうです。

販売業者はそれでも「安心して使えます」と平気で言ってくる

実は私は技適を取得したとされるスマートモニターを購入し、バイクに取り付け、利用しようと準備をしておりました。

いざ、使おうと思い、電源を入れてみるとスマホとあっさりつながってしまいます。
屋外利用の場合、2.4GHz帯または5.6GHz帯の電波で繋がる製品じゃないと違反になるので、心配になり、WiFi Analyzerというスマホアプリを使って電波を確認してみたところ、スマートモニターから出ている電波は5.2GHz帯でした。

すぐに電源を抜き、販売業者へ問い合わせたところ、
「制度改正案に基づき、EIRP 200mW以下の屋外で利用を可能とすることになりますので、ご安心ください。」
という回答が来ました。
そして、根拠として総務省の屋外利用を説明した画像の一部を送ってきました。
これだけ見ると「大丈夫かも」と思ってしまいますが、総務省のページを調べてみると、条件のところが記載されており、やはりこのままでは違反になると読み取れました。

念のため、総務省の相談受付窓口に相談したところ、やはり、バイク用モニターとして屋外で5.2GHz帯の電波で利用するのは違反にあたるようです。
また、技適番号を取っていた製品なので、その点について問い合わせましたが、利用目的は特に総務省では確認していないとのことで、屋内で利用するのか屋外で利用するのかは、技適番号からではわからないとのことでした。

つまり、この製品を扱っている業者は確かに技適は取っていましたが、だからと言って安心して屋外で使える製品ではなかったということです。

総務省に問い合わせて確認をした旨を販売業者に伝え、返金を求めたところ、この業者は素直に返金に応じてくれました。
しかし、いまだにこの製品は Amazonで販売しています。
電波法違反をすることをわかっていながら販売する業者は、何を考えているのだろうか!?
確かに電波法違反は、利用者側しか罰則がないため、このような業者が野放しになっていても総務省からお咎めなしのようである。
また、バイク用スマートモニターのレビューを行っているYoutuberの人たちもいるが、電波法違反を気にせずレビューしていて大丈夫なのだろうか?

結局、どれが大丈夫?

日本の電波法に即して5.6GHz帯+DFS(Dynamic Frequency Selection)を実装しているバイク用スマートモニターを製造しているメーカーもあるので、そのような製品を購入することをお勧めします。
結局、今回購入した中華製バイク用スマートモニターは使えなかったので、AkeeyoのAIO-5 Playを注文しなおしました。

明確に5.6GHz帯+DFSに対応している製品は、少なく私が調べた限りでは、2024年6月現在では、下記のメーカーぐらいしかなさそうでした。

  • デイトナ

  • タナックス(Akeeyo)

  • カエディア

  • マックスウィン

技適が取得されていても安心できない製品もあるので、購入する方は販売業者にしっかり確認の上、さらに技適情報も確認し、購入した方がよさそうです。


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