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【無料記事・マイナー種牡馬の取扱説明書】ゴールドアクター産駒の特徴とは?~前編/父譲りの立ち回り&成長力が光る~

この記事では、2022年に産駒がデビューした種牡馬・ゴールドアクターについて分析したいと思います。

個人的にゴールドアクターは、現役時代からとても好きな馬で、回収率を上げる競馬脳の作り方では表紙の帯に使わせてもらったほど思い入れがあります。

なので、種牡馬としてもデビュー当初から注目していました。

そこで今回は、2022年の産駒デビューからココまでを振り返りつつ、馬券的な狙いどころなどを分析していきます。

※データは特に注意書きのない限り、2022年6月の産駒デビュー~2023年9月3日終了時点までのものです。



・なぜ「マイナー種牡馬」なのか?

ところで大前提の話。この記事のタイトルは「マイナー種牡馬の取扱説明書」としていますが、なぜ”マイナー種牡馬”に限定するのかというお話を最初に少しします。

そりゃ、エピファネイアとか、ロードカナロアとか、あるいはドゥラメンテとか、そういった有名な種牡馬を分析した方が需要はあると思います。出走頭数も多いですし、実際予想で使える機会もケタ違いです。

ただ、そういうメジャー種牡馬(マイナー種牡馬の対義語としてこう定義します)って、そもそも良血馬が多かったり、それこそ産駒数が逆に多すぎて多種多様だったり、なかなか特徴を見出しづらいんですね。良血ゆえに様々な繁殖牝馬が集まりますから、産駒も多種多様。

例えば、ロードカナロア。皐月賞や有馬記念で好走するサートゥルナーリアから、スプリント重賞を総ナメするダノンスマッシュまで様々な産駒を出すわけです。それだけ種牡馬としてのポテンシャルが高く、集まる繁殖のレベルも高いんですね。

一方マイナー種牡馬は、集まる繁殖牝馬の質もそこまで高くはなく、結果的により父の個性を強く引き継ぎやすいのです。

◆メジャー種牡馬 
→優秀ゆえに多様な繁殖が集まり、多様な産駒が生まれる 
→母系も大事になるので傾向をひと括りにしづらい(できない)

◇マイナー種牡馬 
→集まる繁殖のレベルは高くない、父似の画一的な産駒が多く生まれる 
→分析しやすく狙いやすい

ということです。

・マイナー種牡馬の産駒は地味ゆえに人気にならない!

もっとも、もうひとつ重要、かつ最大の理由はもっとシンプルです。それは…

『マイナー種牡馬の産駒は人気にならない』

からです。マイナー種牡馬の産駒は生産牧場やその他のプロフィールも地味であることが多い。実際これまでデビューした2世代のゴールドアクター産駒も、ノーザンファーム、社台ファーム産はなんと1頭もいません(2023年9月1週目終了時点)。だからこそ、注目度が低く人気にならない。

そんなマイナー種牡馬の産駒たちの狙いどころがわかれば、より馬券に生かしやすいし妙味もあるというわけです。

◆メジャー種牡馬 
→大手牧場の産駒も多く、有力厩舎所属などプロフィールが良く人気になりやすい
◇マイナー種牡馬 
→大手牧場の産駒は少なく、地味な印象を受けるため総じて人気になりにくい

つまり、

マイナー種牡馬は、マイナーだからこそ掘り下げる価値がある。

ということです。

・ゴールドアクター産駒の特徴とは?

そろそろ本題に入りましょう。ゴールドアクター産駒の特徴です。

1、父に似ている

ひと言でいえば、父のイメージに近い馬が多いです。

ゴールドアクターは現役時代、初勝利が中山芝2200m、その後制した重賞も多くは長距離、しかも直線が長くないコースでした。

G1での好走は、

有馬記念(中山芝2500m)1着&3着
宝塚記念(阪神芝2200m)2着
菊花賞(京都芝3000m)3着

それ以外の重賞勝利は、

アルゼンチン共和国杯(東京芝2500m)
日経賞(中山芝2500m)

とにかくスタミナ豊富。そして京都外回りや東京での好走こそあるものの、やはり直線が長くない舞台の方がより持ち味が生きる馬でした。

そして、父のイメージ通り、これまでデビューした産駒もこの特徴を受け継いでいます。

2、距離は延びた方がいい

具体的にどう似ているのか、まずは距離です。

当然のことながら、短距離よりも中距離以上で持ち味を発揮しています。

・マイル未満(0-1-3-26)
・マイル~1900m(5-9-4-66)
・2000m以上(5-4-6-21)

TAROの競馬調べ

一目瞭然! 距離が延びれば延びるほど好走率が上がります。したがって、早期の新馬や未勝利などスピードが生きる舞台では軽視、使いつつ力をつけて行くというイメージです。ゴールドアクター自身も勝ち上がりは3戦目、2勝目は7戦目という叩き良化型&遅咲き傾向でした。

この傾向はロベルト系全般の特徴(ゴールドアクターの父がスクリーンヒーロー、その父がグラスワンダー、その父がシルヴァーホーク、さらにその父がロベルト)なのですが、これは長くなるので割愛、また別の機会に、

「ロベルト系の特徴」

あたりを取り上げようと思います。

とりあえずここでは、

ゴールドアクター産駒は距離が延びた方が良い

ということをザックリ覚えておけばOKです。

3、叩き良化型で成長力あり

距離が延びた方が良いということは、当然、前述した通りレースを使いつつ力をつけるということです。

新馬(0-2-3-18)
未勝利(6-11-9-82)

ご覧の通り、新馬戦で勝った馬はまだいません。

ちなみに新馬&未勝利と比べて、1勝クラスでは好走率が上がります。

1勝クラス(3-1-1-7)

つまり、

「ようやく勝ち上がった馬はクラスが上がっても即通用する」

傾向があります。叩き良化タイプにアリがちな特徴ですね。

ゴールドアクター自身もようやく勝ち上がった未勝利戦の直後、ゆりかもめ賞は14番人気と低評価でしたが2着と好走していました。

4、直線は短い方が良い

そして、立ち回りが上手で小回り向きというのも父によく似た特徴です。

芝(4-9-9-69)

という成績ですが、東京芝に限ると…

東京芝(0-0-2-24)

やはり東京芝だと切れ負けする傾向があります。

好成績なのは…

小倉芝(2-3-1-3)
福島芝(0-1-2-4)
札幌芝(0-1-2-3)

TAROの競馬調べ

相手関係が緩くなり、かつ直線が短く上がりの速さを問われないローカル芝では好調です。

今回はココまで。

以下は簡単なまとめです。

5、今回のまとめ

ゴールドアクター産駒は…

1、スタミナ豊富で距離は延びた方が良い
2、叩き良化型で新馬より未勝利戦向き、クラス上がりで注意
3、決め手には欠けあるので直線は短い方が良く、ローカルで注意

と覚えておけばいいでしょう。

長くなりそうなので今回はココまで。面白かった、興味を持った、役に立った、などなど思われた方は、いいねなど押していただけると、少し励みになります。

次回はゴールドアクターの後編ということで、より実践的な内容を具体例とともに取り上げようと思います。

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