![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/90695884/rectangle_large_type_2_f6a657e780c490482f49dc8ffa7b1532.png?width=1200)
反逆の月
僕が初めて君にあった頃。
君はまるで満月のように角がなく、自分を輝かせるのに必死だった。
けれどその月もやがては欠けていく。
失っていく物も多くなり、タバコの本数だけが増えていく君。
どんどん明るさを失い、暗い部分だけが増えていくばかり。
僕は正直あの頃にこの月が無くなってしまうのではないか。
そう思ってしまった。
その月は堕ちる所まで堕ち、欠ける所まで欠けていく。
そう思っていた。
けれどその月が完全になくなったかと思いきや、また少しずつ光が射してきた
辛い経験をしたからこそ。
大変な思いをしたからこそ。
その少しずつ射す光は前よりも輝いて見えた。
やがて月は満ち、今となってはあの出会った頃よりも輝いて見える。
まるで今まで欠けた部分を埋めていくかのように。
今の満月はきっと
あの頃よりも綺麗な満月。
あの頃よりも輝く君。
あの頃よりも近い距離。
タバコの煙が月の光で見えるぐらいに。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?