フィリピン初の再生可能エネルギーREIT・CREITがグリーンボンドで発行で、新規発電所取得

その再生可能エネルギー分野の有力プレイヤーの一つが、フィリピン初の再生可能エネルギーREITであるCiticore Energy REIT (CREIT)です。
同社は、3年投資戦略報告書において、2023年に最大45億ペソのグリーンボンドを発行し、この資金を土地や発電所の買収資金に充てるとしています。
バタンガス州トゥイにある6.5MWの太陽光発電システムと475.3ヘクタールの土地の取得に充当する計画です。
バタンガス州の土地は、グループ会社のCiticore Renewable Energy Corp.が開発中の90MWのBatangas Solar Farm Aと40MWのBatangas Solar Farm Bの一部です。
バタンガス州の発電所は、Citicore Renewable Energy Corp.(CREC)が開発し、本年中に完成予定の太陽光発電所です。
この2件の買収により、同社は2025年までに発電容量を145MWから780MWに拡大する目標に一歩近づくことになります。
合わせて、CREITは、リートスポンサーから、72MWのArayat-Mexico太陽光発電所(フェーズ1)、44MWのArayat-Mexico太陽光発電所(フェーズ2)を含む他の買収の可能性も示しています。
その他のプロジェクトは、現在開発前の立地選定段階にあります。
無借金のCREITは支払利息を負担する余裕があり、買収により2024年までに収益を60%増加させる可能性があります。
フィリピンのREIT法では、REITは預かり資産価値の35%までなら借入が可能です。この上限は、国際的に認められた格付け機関から投資適格の格付けを受けた場合、その上限は70%まで引き上げられます。
CREIT は、フィリピン・レイティング・サービス・コーポレーション(PRS)から AA+ の格付けを取得しており、これは PRS で 2 番目に高い格付けです。
預かり資産は 144 億 7000 万ペソであることから、CREIT の現在の借入限度額は 101.3 億ペソ程度です。
CREITの現在の借入金残高が0なので、45億ペソの社債発行には、十分な余裕があります。
ちなみに、PRSの最高格付けであるAAAを取得しているアヤラエナジー(ACEN)は、昨年9月に、5年間固定金利6.05%でグリーンボンドを発行しました。
今回のCREITグリーンボンドは、PRSの格付けが低いことや、マーケットでの金利高傾向から、これよりも高い金利がつくと予想されます。
 6.5%の金利負担が発生するものの、本資産取得により、CREIT の帰属資本は大幅に増加します。
これらの太陽光発電資産が、現在のCREITのポートフォリオの収益性に見合うものであると仮定すれば、これはCREITの当期利益(ひいては配当)を増加させるのに十分なものであるはずです。
2024年末には、純利益(ひいては株主配当)を約60%増加させることができると予想されています。


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