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第38話 ママの「カラの巣症候群」

今日は大みそか。

ゆーちょんとた―くんもいっしょに年越しそばを食べている。

ボクは、しょうちゃんに天ぷらのエビをおねだりしたところ。

でも、わずかの差で最後のエビはた―くんの口の中へ消えて行ってしまったんだよね。



しょうちゃんが、半分かじったエビを分けてくれた。

シッポだけじゃなくて身の部分もちゃんとついている。


うんうんやっぱり、おいしい~。

ボクは大満足で、それをゴクリと飲み込んだ。


珍しくた―くんがゆっくりと口を開く。

「かあちゃん、祥子は大学行くの?」

その言葉が終わらないうちに、ゆうちょんが口を挟む。

「お前な〜、そんなことをオカンに聞いてどうする?行くのはしょうなんだぞ!」

「すいません。」

たーくんは、肩をすくめてゆーちょんに誤った。


「しょうちゃんが、大学生になって、ここを出て行ったら、お母さんはひとりになっちゃうね。

ママはトンチンカンなた―くんの質問の意図を推測して答えた。


しょう、お前、大学へ行くのか?

さっき散歩に出た時に、ゆーちょんもしょうちゃんに聞いていた。

兄弟ふたり同じことを聞いていたのだ。


今回、しょうちゃんは黙って最後のひと口のおそばをすすっている。

ママが話を続ける。

しょうちゃんがいなくなったら、さすがに寂しくなるかもね。

ママはひとりでkラスのは生まれて初めてだという。

これまではいつもだれかと一緒に暮らしていた。

ママの両親だったり、子どもたちとだったり。


ママはこんな思いで場なしを始めたよ。

一番上のゆーちょんが大学生になり、一人で暮らすアパートに送り届けた時ゆーちょんに見送られて帰りる道で涙が出たんだって。


この田舎でのんびり育った子が、知ってる人もいない都会でひとりで暮らしていけるのか、

毎日の食事や洗濯物は大丈夫なのか。

いろいろ心配だったけど、

家には、またた―くんとしょうちゃんが残っている。

帰らないわけにはいかないよね。

ゆーちょんがママの姿が見えなくなるまで見送ってくれた姿が、頭から離れなかったんだって。

家に帰ってからもゆーちょんがいなくなったことを実感ことがたくさんあったんだって。

いつも通りにご飯を炊いて、こんなに炊かなくていいんだっけと思った時。

ゆーちょんがいなくなった空っぽの部屋に入った時。

毎日涙が出てきたって。


次にた―くんが家を出て行ったときもうんと寂しかったけど、その時はまだsしょうちゃんがちゃんが






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