プリンセス・プリンシパル Crown Handler 第三章
観てきたので感想をメモしておきます。未見のかたは今すぐ戻るボタンを押してくださいね。
■ついに『プリンセス・プリンシパル』
TVシリーズはなんやかんやチーム白鳩の試練だったわけで、その中でもとりわけアンジェの受難に焦点が当たり続けたと思っています。
それが一旦解決して、Crown Handlerでは満を持してプリンセスに対する試練が次々と降り掛かってきます。王女は二人いましたね。両方拾わなければ嘘というものです。
第2王女メアリーの存在について
第2章の時点からプリンセスにとっての庇護対象として描かれつづけ、戦う動機となることが示唆され続けた小さな王女メアリーですが、第三章で満を持して爆破の憂き目を見ます。結果として助かるのですが、良かったことなのかどうか。そのことがプリンセスの、というよりチーム白鳩の判断を鈍らせます。
思い返せば王女メアリーについては、常に「誰かを絆す」役割でした。それはキャラクターにとどまらず、観客を巻き込んだ機序です。この可哀想な子を助けてあげたい。わかる。2〜3章の物語の原動力だったと思います。
チーム白鳩と視聴者の油断
よもや「王女の亡命」作戦が失敗するとは夢にも思うまい。おおよそ負けなしのチーム白鳩なんだから。
残念ながら作戦は失敗し、プリンセスを除いた全員が投獄されてしまいます。
このあとのコントロールや王室の動きについては次の章で描かれるものとして……。
キャラクターの側にも、ある種の油断があったことが表現されていたように思います。
アンジェは冷徹そうな言葉とは裏腹に、直情的にプリンセスの言うことに「従おうと」します。あなたの命令なら「必ず成功させる」とまで断言します。およそ、あらゆる状況に対応するべきスパイらしからぬ言動です。しかし名言だと思います。アンジェの緩みと、おそらく観客が求めていたプリンセスとの関係性の強化を一度に行えるからです。
ドロシーについては言うまでもなく、あらゆる場面で判断に情を挟むようになっています。もともとその傾向はあった気がしますが、輪をかけて判断が鈍っていた、ような。
あまりにうまく行き過ぎた個室からの脱出について、あるいは待ち伏せについての軽視を鑑みれば、慢心とまではいかなくとも、油断はあったものと思います。
そのことについてハラハラする観客側の機序もまた、作劇上の計算のうちでしょうか。
■第四章が楽しみです
プリンセスが、ついにたった一人で立ち向かうプリンシパル。それもひとつではありませんね。
仲間を助ける。
王国を救う。
壁を壊す。
世界を変える。
それらすべて、本当にあと一回で収まるのかい?
不安もありながら、楽しみでもあります。最高の作劇を見せてほしいと思います。
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