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”この時代の紙”を買いました ~手書きという自由について~

お久しぶりです。瑞田多理です。私生活がバタバタしていましたが(こいつずっと私生活バタバタしてんな……)、二回の三連休を経てだいぶん回復してきました。ので、筆を執っています。

回復してきた一因に、新しいガジェットを買ったことがあります。それが本日ご紹介するガジェット「SONY デジタルペーパー DPT-CP1」です。
今回はこのガジェットの軽いレビューと、それからこのガジェットがもたらした体験、つまり「手書き」ということの面白さについて軽く書こうと思います。

SONY デジタルペーパー DPT-CP1 -超・低機能端末-

このデバイスは電子ペーパーです。
PDFを読み込んで、表示することができます。
付属のスタイラスで自由に書き込みをし、再びPDFとして書き出すことができます。どうやら二色ペンがあるようです。

定価7万円程度するこのデバイスの機能は、ほぼ上記の内容です。
Reader Storeの電子書籍? 読めません。
JPG表示? できません。完全にPDF専用機です。

何で買ったの?
どうして買う理由があるの?

僕も買った瞬間は、そうした後悔に苛まれていました。だって中古で安かったんだもん。
この低機能にはみな納得の様子で、このデバイスをプレゼンした友人には、
「モノを書くだけならルーズリーフ70000枚買えるじゃん」
と言われてしまう始末。ぐうの音も出ない。たしかに。

ただ、実際に届いてみて、使い始めてみると……大枚をはたいたというひいき目を抜きにしても、素晴らしい体験をもたらしてくれたのですよ。

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場所を選ばず書き物

このガジェットが持っているバリューを一言で表すなら、「”場所を選ばず”書き物に”没頭できる”」という点につきます。以下に詳述していきます。

100均でルーズリーフが70000枚買えるこのガジェットですが、「立ちながら書ける」というルーズリーフにはない利点があります。
紙を取り換える必要がないということに加えて、デフォルトでバインダー相当の硬さを持っているためです。
書き物をする上で「紙」は非常に優れていますが、紙である以上、「1枚の紙にかける量は限られていて」「それが尽きたら取り換えなくてはならない」という物理的な欠点があります。さらに、「紙一枚では柔らかすぎて書き込めない」ということも挙げられます。
これらが複合すると、「立ちながら書けない」という機会損失を生みます。

しかしこのガジェットは、それらの問題を一挙に解決し、電車でも待ち合わせの時間でもどこでも、書き物をする時間に変えてくれるのです。

あ、聴こえる! 「じゃあスマホでメモすればいいじゃん」というため息!
じゃあそろそろ本題に入りましょうか。”手書きというストレスフリー”について。

手書きというストレスフリー

スマートフォンやタブレットを使って、アプリやプレーンテキストでメモを入力することは、スマホが出たてのころからやってきていました。それがなぜいま、手書きに原点回帰したのかというと、
「手書きに戻ったことで、カーソルによるストレスに気づかされた」
ことに尽きます。

アプリを使うにしろ、メモを入力するにしろ、

1.入力のためのインターフェースをタップして起動し、
2.文字列を入力したい場所をタップしてカーソルを動かし、
3.思考をフリック(またはQWERTY配列)に変換しながら、

入力しているわけです。タップミスがあればいらいらしながら細かな操作でタップ位置を修正し、誤入力があればバックスペースをタップします。
いい思い付きが、少し前のメモと紐づいていたらどうしましょう。「スクロール」して「挿入位置をタップ」し、「文字入力」をするわけです。

手書きメモにそのようなストレスやフリクションはありません。書きたい場所に書き散らして終わりです。

もちろん、手書きメモにも劣る部分はあります。可読性と検索性です。字が汚ければ読み返せませんし、手書きメモの文字列を検索することは難しいため、FIXした情報を書き留めておくのには向きません。
でも、メモってそもそも思考整理のため、備忘録のためのものです。検索性を高めるためにフォーマットを定めるよりも、自由にいつでも、どこにでも記載できるほうが、僕のスタイルには合っていたようです。

とはいえ万人にお勧めは……

上述の通り、このガジェットは、「思考」から「文字列」というフォーマットに落とし込むストレスから、解放してくれました。僕にとっては大きなパラダイムシフトとなりました。

が……あまりに高い……。手書きメモをするだけならiPadとかでもできる……。そう考えると、このガジェットの優位性は、

1.紙とほとんど全く同じ書き味
2.「書く」以外できないのでカンヅメ向き

ということになりましょうか。うーん、弱い……。

僕のような文字書き限界ガジェットオタクには刺さりましたが、決して、70000円は安い買い物ではありません。モリサワとか買えちゃうし……
どうぞご利用は自己責任で。

それではまた。目新しいガジェットが見つかったらまたご報告します。

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