北海学園文学会ウェブエッセイ⑮「吸血鬼でなくても」

【急募 眠れない夜の過ごし方】

眠れない。

仄かに眠気はあるのにいざ横になると何故か瞼が勝手に開いてしまう。

横になるまではもちろん順調だ。

問題はそこからで、

やけに鮮明で恐ろしい未来のことが思い浮かんで来たり(余りにもグロテスクな為ここでは書き起こすことをしないが)

今にもベッドの下から幽霊が足を掴んで来るのではないかといった不安が浮かんでは消えたりする。

しばらくはそんなことが頭の中でゆっくりかけ巡っていたが

段々と頭の問題から体の方に問題が出てくる。

横になり続けていたから腰の方が痛くなってきて足がむずむずしてきてしまう。

仕方なく起き上がり時間を見ると1時になっていた。



せっかく眠れないのなら何かしよう。

と思ったが頭が働かないというのがどれほど大きな問題なのかすぐに実感することになる。

頭が回らないから何をしてもまるで面白くない。

ゲームをしてみようとしたが、ゲームの中で何をするかすら思い付かないし何かするにも億劫になってしまい結局何も出来ない。

漫画を借りてきたことに気づいて読んでみようともしたが、目から入った情報が流れるように頭から抜け落ちていく。

1ページも記憶を維持できず、次のページに移るためにもう一度読み返し……また次のページに移るためにもう一度読み返し……もう一度読み返し……とやけに時間がかかってしまい何も頭に入ってこない。(そういったスタンド攻撃かとも思った。)


何もすることができなくなってTwitterを開くが何度更新してもいまいちピンとこない。

YouTubeを眺めていても再生して数分後にはもう飽きてしまう。

こうなるともう為す術がない。

いつもなら無限に時間が溶かせるはずなのに……。

全て無意味に終わってしまいとてつもなく強烈な虚無が襲ってくる。


そうだ、頭が冴えていなくてもギターは弾ける。

と一瞬希望が見えた気がしたがやはりこんなことを考えている時点で頭が働いていない。

こんな時間に弾いてしまったらいくら小さく弾こうと私の家の壁は半紙ほどの防音性しかないからとんでもなく迷惑になるし

なにより寝る前にも弾いたばかりなのであまり気分が乗らなかった。



そう、気分がまるで乗らない。

書いていてしっくり来るなと思ったがまさにこれだ。

眠気だけが中途半端にあるせいで何をするにも頭がついていかないという感じがある。

今日は珍しく早めに夜ご飯を済ませてすぐにお風呂にも入った。いつもより早く布団にも入った。

完璧だった。

その努力全てを無に返すような仕打ちだ。

ふつふつ湧きあがるものがあったが、よく考えると珍しいことをしすぎたから体がついてこれなかったのかもしれない。

お酒を飲みながらがつがつ大盛りのチャーハンを食べたせいで消化不良を起こしているのも眠れない原因だと思った。

そうか久しぶりにお酒を飲んだのも原因か……。



眠れないというのは辛い。

どうにか眠ろうともがき苦しんでいるときももちろんだが

夜明けを実感する瞬間が一番絶望的だ。

最近だと3時半には外がもうすっかり明るくなっているがそれが本当に心の底から恐ろしい。


課題が終わらずにそんな時間になってしまいさぁ!寝るぞ!とベッドに飛び込み電気を消して数秒後に異様な外の明るさに気づく。

そんなことがつい先日あった。

耳を澄ませなくても明らかに分かる交通量の多さと、飛び込んできた無数のカラスの鳴き声には本当に恐ろしくなった。

カーテンから「漏れ出す」どころか燦々と「溢れ出す」白い光。

私は吸血鬼ではないが絶命してしまうところだった。



だらだらと書き進めてきたが
やっとまともな文が書けるようになってきた。

段々と頭も冴えてきたし文字の打ち間違えも変換ミスも減ってきたように感じる。

なんてったって今は3時半だ。

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