YOASOBI武道館ライブ公式レポーター認定試験解答

問1.
①[ B ]
②[ C ]
③[ A ]
④[ B ]

問2.
①[おはようございます。]
②[ D ]
③今日は仕事が忙しいため、娘のテストを見に行けない可能性が高い。できるだけ見に行くつもりだが、万が一見に行けない時にガッカリさせないように予防線を張っている。

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問3.
-選んだ楽曲タイトル[怪物]
-その曲とあなたの出会いやその曲に対する思い入れ


もう誰も傷つけない 強く強くなりたいんだよ

陸上競技の100m走のような曲の疾走感と共に頭の中に走り込んできたYOASOBIさんの『怪物』のサビが、私を学生時代にタイムリープさせた。

私は高校時代、クラスの中に好きな女性がいた。クラスでも目立つタイプではないが、ショートボブの似合う明るい女の子だった。彼女には仲良くしている友達が2人いた。休み時間に彼女を含めて3人がいつも仲良くしているのを横目で見ながら、友人達とUNOを繰り広げていたのを覚えている。

しかしある日を境に彼女は2人から無視され始めた。明らかに外から見てもわかるほどに。休み時間になると彼女は1人で机に座り、残りの二人はこそこそと話をしていた。しばらくすると2人以外も彼女を避け始めたり、遠巻きにするようになりクラスで孤立する存在になっていた。

私は当然彼女に同情し、彼女に理由を尋ねた。しかし彼女は首を振って「大丈夫」の一言だけで何も教えてはくれなかった。

ある日2人に直接理由を尋ねた。忘れもしない夕焼けが少し差し込んでいる放課後の教室だった。すると2人はこう答えた。

「あたしの彼氏、奪ったのよ」

私の心は鋭利な刀で綺麗に二回斬られた。一太刀目は彼氏がいたという事、二太刀目は私の好きだった彼女が略奪をするような女性だったという事。かろうじて首は胴体に残っていたので、瀕死の頭で2人の理由を聞いていた。そして私は彼女に対して持っていた感情の全てを教室の隅にあるゴミ箱に投げ捨てていた。

次の日の休み時間、彼女が私に声をかけてきた。

「あのさ、相談があるんだけど」

私が彼女に向けた目は、おそらく怪物のような眼をしていたと思う。彼女は私の顔を見ると、ごめんと小さく呟いて席に戻っていった。

席に戻る彼女の姿を見て、私は彼女を傷つけてしまった事にひどく落ち込んだ。もしあの時私がもっと強ければ、彼女が何を言いたかったのか聞けたのかもしれない。私に彼女を傷つける資格なんてなかったのだから。

YOASOBIさんの『怪物』は、私にあの時どうするべきだったのか問いかけてくる。

ありのまま生きる事が正義か 騙し騙し生きるのは正義か

あの時私の中に怪物がいたのかわからない。でも彼女は私の事が怪物に見えただろう。

『怪物』の中でikuraさんが「Ah~Ah~」と歌う箇所がある。歌詞には書かれていないが、あの部分は『怪物』の中で最重要な部分ではないかと考えている。あれは『怪物』の歌詞で嘆く主人公の言葉にならない思いを表現した個所ではないか。

それは自分が怪物になってしまっているという嘆きの声なのか、それとも自分を怪物にさせてしまった社会についての諦めなのか、怪物である自分を乗り越えた勝どきの声なのか。

後日、彼女に関する事は全てが嘘だったと知った。

その時には、もう彼女に声をかける事なんてできなかった。

もう誰も傷つけない 強く強くなりたいんだよ

あの時の私は、成長して強くなれたんだろうか。それとも怪物のまま成長したんだろうか。

この曲を聴き終わった時に答えがわかるかもしれないと思いながら、うねるように飛び込んでくるメロディをゆっくりと受け止めていた。

恐らく、私は一生この曲を聴き続けるのだろうと思っている。心の奥底に怪物がいる気がするから。


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