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箱と蟹 ~ハコガニ手芸部 春の展示会~

改めまして、たらはかにと申します。本日はこの展覧会にお越しいただきありがとうございます。この度、ハコガニ手芸部たる謎の軍団が現れまして、そのメンバーの素晴らしい作品を皆様に見ていただきたく展覧会を開催させたいただく事になりました。

カッチーン6-1

(2020.03たらはかに)

なぜハコガニかというと、姿を見ていただきければわかるように私は決してカニではないのです。しかしこの名前のせいで幼少期からカニ、カニと友達から捕獲される日々でした。そんな私を不憫に思った友人の李茂クンが「ハコガニ!」と呼び始めました。すると、日々捕獲を繰り返していた友人達は、あ、そうか。食べる蟹とは違うんだ、と捕獲をやめ…

と、そんな話はどうでもいいのです。作品に参ります。

作品No.1 刺繍糸とアクリル

素晴らしい技術です。刺繍糸でこんな事ができるのですねぇ。目のキョトンとした感じがかわいいですね。幼少期の頃の私を見ているようです。画像の下にあるアクリルも再現度高いです!

サイズ感もたまりませんね。しれっと踏みつけて、自分が巨大なモンスターになった気分が味わえそうですね。是非皆様も素足で踏みつけて、シン・ゴジラ感を味わってみるのもいかがでしょうか。

親友の激落ちくんとの記念写真です。

さて、良かったら珈琲でもいかがでしょうか。では次の作品です。

作品No.2 紙粘土とフェルト

また傑作が…左の紙粘土は何とお子様の作品。なぜか顔が二面体になるという想像力。神童ですね。割れた後頭部もキュートです。フェルトの方は、微妙にニタリと笑っている珍しい瞬間を捉えた作品ですね。これも素晴らしい完成度です。これをぶら下げて電車の優先席にいけば、ほらビックリ!何も起きません。そこに万が一私がいたらそっと蟹一年分をお渡しする事でしょう。(席は譲りませんが)

作品No.3 フェルト

いつもたらはかにの漫画を書いていただいているまゆみ先生のフェルト作品です。これもまた素晴らしいです。平面でありながらも、立方体に見せる技術が見事です。これは鮫のぬいぐるみ(鮫島さん)との仲睦まじいショットですね。完全に鮫に弱みを握られている、そんな様子が伝わる瞬間ですね。

あ、良かったらお菓子いかがですか?今回の展示会の為に作成されたたらはかにクッキーです。美味しいですよね。では次の作品へ

作品No.4 羊毛フェルト

羊毛フェルトで人形を作るのは見た事があったのですが、立方体が作れるなんて驚きです!たらはかにの側面にはポスターが張られているのですが、ポスターの再現までされていて、驚きです。タクトさんはアイコンも羊毛フェルトで作成されていて、カップケーキみたいな所にキャラクターがはいっていて、まぁかわいいのです。可愛いの権化です。決して珍妙な色のふがしではないので、かじりつかないようにお願いいたします。

作品No.5 タンパク質と脂質と水

そんなわけで、最後の作品です。鏡をじっくりと覗き込んでください。え?鏡の画像がない?いや、あなたの手持ちの鏡ですよ。無ければ、そのスマホで自撮りしてもいいですよ。

……

いました?キョトンとした目、横にまっすぐの黄色い口、四角い体型。

珈琲とクッキー、美味しかったみたいですね。ちゃんと効果が現れています。そうです、あなたが次の展示品です。どうぞこちらの展示会にいらして下さい。あなたを飾る台は既に用意させていただいていますから。

さ、後ろを向いて下さい。先程から、たらはかにがあなたを感情の無い目で見続けてますよ。

いらっしゃい。

たらはかにの頭部と胴体部の切れ目がパカッと開き、その中から黒い手が飛び出した。その挙動を認知できたかもわからぬまま、人とも消しゴムとも言えなくなった何かは、そのパックリと割れた切れ目からたらはかにの体内に引きずり込まれた。

そして体内に全てを吸収させると、何もなかったかのように頭部を閉じた。

カッチーン6-1


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