【毎週ショートショートnote】 優先席の微世界先生
私は優先席です。
私は、生まれてこのかた、ずっと電車の席をしておるので、ほかの席から先生と呼ばれております。
というのも、席は、よく転生をするのです。
私のほかにも、コンサート会場だった席や、勉強机だった席がおります。
彼らが幸せの絶頂のときに、他の席に転生するようです。
ささやかな、この世界の電車の席に、新人が来ました。
「お嬢に座られてねえええええ!」
「落ち着いてください!」
「やだよおおお」
どうやら、訳アリのようですね。
席は動きません。きっと、いきなり自分の