冬に至る
なかなかあうことのゆるされないひと遠い月夕方とよるのあいだにみることのできる遠い遠い月 あいだには薄いくもがいつもかかっている ゆうげのしたくどこかのいえのゆうげのしたくのにおいもそんなのはむかし映画でみたのかそれとも記憶の捏造か せつなさやるせなさはとうに忘れてしまった きれいなたっぷりの水につかることができたなら栄養満点の上等な干椎茸みたいになれたかな 滋養あふれるいいものになりたかった
安いパンとのむヨーグルトを買い求め 凍った道をソロソロ歩く 月はうすぼんやりとわたしたちを眺めてる みつめかえしてちょっとよろける
はかない夕方 いずれかけて南瓜色になる月
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