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けん玉からKendamaへ

初めまして。ストリート系けん玉プレイヤーのたおといいます。本記事はUTMアドカレ14日目の記事です。
今回は世界的なストリートカルチャーになりつつあるけん玉、いやKendamaの可能性と魅力を伝えられたらと思います。



Profile

名前:たお
けん玉歴:2018年12月〜 (ちょうど5年)
使用ブランド:Sol Kendamas, Su Labなど
資格:Gloken主催けん玉検定 Master1級 (最高位)
実績:けん玉ワールドカップ2021 Semi Finalist(予選
20位)
経歴:2019, 2020 @文化祭, 2023 @横山台プチマルシェ
SNS : instagram 

そもそもけん玉とは?

元々はヨーロッパにて16世紀ごろに遊ばれていたbil boqueなどがルーツとされています。
日本においては大正時代に広島県呉市にて現在のけん玉の形に近い「日月ボール」の形になりました。これにより、日本におけるけん玉発祥の地はh路島県であるとされています(ワールドカップも毎年廿日市市にて開催されています!)。
しかしこの当時、けん玉とは子供用の玩具あるいは民芸品でしかなく、技を競うためのものとして作られいたわけではなかったのです。

3つの皿に剣一つ、それに糸で繋がれたボールが一つという構造はみなさんにも馴染みの深いものでしょう。小学生の頃にけんに刺せて嬉しかったという経験をした人も少なくないはずです。
一般的にその構造から、けん玉には技(単発のもの)は4つしかないように感じます。

左から 大皿/ 小皿/ 中皿/ けん

画像のようにけんを手で持ち、対応する場所に玉を配置することができます。実は大皿>中皿>小皿の大きさなわけではなく、小皿より中皿の方が小さいんです。中心にある皿なのでこの名前がついているのですね。
しかしけん玉の真髄はそのシンプルな構造からは考えられないような場所に配置することができるところにあります。
今回はそのようなけん玉の載せることのできる場所を紹介していきます!

補足:派閥について

けん玉のイベントや資格を提供する団体は二つあります。一つは日本けん玉協会、もう一つはグローバルけん玉ネットワーク(GLOKEN)です。

けん玉協会が「けん玉道」と称するように日本固有の文化としてその伝承・普及を目的とするのに対し、GLOKENはストリート系の文化を大事にしています。
そのため、けん玉協会の資格より、GLOKENのものの方がより自由度の高い技を求める・あるいは新しく作られることが多いです。

これが原因で、「協会系」と「ストリート系」と呼ばれる分類が自然とされています。

補足:静止技の原理

前提として、けん玉のさらには「縁」があります。この縁の部分に玉の穴がちょうど乗ると、4点で支えられ、完全に制止することができるようになります。

初級編

まずはみなさんが知っていてもおかしくない、いわゆる「協会系」の技を紹介します。

フライパン(pan)

けんの上にのせます。穴は下を向いていなくても大丈夫です。

おみこし(body catch)

フライパンの逆側です。

うぐいす(bird)

最も単純な縁を利用した技です。縁での4点に加え、けんの部分に玉を立てかけることで強固な安定性を実現しています。
余談ですが、反対側(小皿)で同じことをする技は小皿うぐいす(ナイチンゲール)と呼ばれています。

アンダーバード(under bird)

うぐいすの逆です。これも強固な安定性。

中皿極意 (handlestall)

同じことを中皿の縁で行います。完全に4点なので少しバランスを取れる条件が厳しいです。
stallは止まる、という意味です。

滑り止め極意/ 太陽極意(slip-stop special)

中皿の縁の隣にもう一個の出っ張りがあります。これは剣を持つ際の滑り止めですがここにも乗せてしまうんですね。
なんか名前がかっこいいです。


飛行機(airplane)

玉の方を持ち始めました。いよいよですね。
これはまだストリート系を知らなくても知っているorできる人も多い印象です。

灯台(lighthouse)

ここから若干、全方位へのバランス力が求められるようになります。
たまの塗装によってやりやすさが変わりますのでツルツルすぎる玉では難しいですね。

月面着陸(lunar)

難しくなってきました。けん玉の形によってはかなりやりにくかったりしますが(重心が中皿側に寄りすぎてしまっているため)、最近のモデルはやりやすいように設計されています。
ふわっと乗せないと止まらないのでこの名前がついていますね、面白い。

裏月面(inward lunar)

逆にしただけですね。


中級編

協会系の上級からストリート系に差し掛かってきます。

竹馬(stilt)

こんなところにも乗ります。うぐいすをひっくり返しただけと言われるとなるほど単純なことですね。見た目が竹馬みたいですね。

まさかり(axe)

うぐいすが逆にできるならアンダーバードも逆にできるでしょう。

大皿極意(wing)

大皿の縁です。
wingってなんかかっこいいですね。もちろん小皿側でもできます。

半月極意(英名不詳)

大皿極意から少し傾けます。斜めで噛ませるので少し違った感触です。

剣先極意(naughty bird)

うぐいすと同じやん、と思ったそこのあなた、穴の位置をよくみてください。めっちゃバランス取りにくいです、これ。

剣先極意竹馬(naughty stilt)

剣先極意があるということは、そういうことなんです。

上級編

いよいよ上級編です。最近開発された技が多いので名前がついていないものもあります。
そもそも静止しない、バランスを取る技もあります。

名称不明技1

まさかりみたいですが、これも穴の位置が逆です。けん玉のシェイプによっては止まらないです。

大皿極意竹馬(wing stilt)

うぐいす、アンダーバードの逆を中級編で紹介しましたが、こちらは紛れもなく上級編です。バランスを取るのがあまりに難しいですがなんと静止することが可能です。

パンスティルト(pan stilt)

なんとフライパンの逆です。
これもシェイプによっては全くできません。

ボーダーバランス(border balance)

名前から察するかもしれませんが、バランス技です。
バランス技の中では初歩中の初歩ですが、なかなか難しい。

リーンハウス(lean house)

灯台を傾けて縁でバランスを取っています。ボーダーバランスと同じくらいの難易度です。


超級編(?)

その難易度は限界突破しています。筆者もできない技がいくつかあります。

タイトロープ(tight lope)

紐の上に剣先を立てているんですね。最近やっと少しだけできるようになりました。ものすごく難しいです。

タイトハウス(tight house)

同じく、紐の上で灯台をやります。タイトロープより全然簡単ですが、それでもかなり難しいです。

ノーホール大皿極意(no hole wing)

大皿極意の場所にて、穴を噛ませないでたまのバランスをとります。筆者の得意技です。
もちろんノーホールうぐいすなど、平面がある場所ではどこでも小脳ですが、割愛します。

リーン竹馬(lean stilt)

竹馬のような形ですが、大皿の縁のみでバランスを取っています。穴を噛ませていないので本当に1点でのバランスです。左右の対象性がないのでまぁ難しい。

リーン月面(lean lunar)

これ、筆者はほとんどできません。リーン竹馬の反対側の縁でバランスを取っています。


ソーラーフレア(solar flare)

剣の上にてバランスをとります。これが一番難しいと思っています。世界にはこれで10秒耐えれる人がいるのだから恐ろしい… 

最後に

今回は上記のように載せることのできる場所を難易度別に紹介しました。
けん玉の技は単発ではなく、連続で色々なことをすることで完成します。その一要素である着地点について今回は紹介しましたが、他にもそこに載せる前に剣を回したり、ジャグリングしたりと多くのストリート要素があります。(もしあれば)次回以降の記事でそれも紹介できたらなと思っています!

けん玉に興味を持った人は十数年ぶりに触ってみてくれると嬉しいです!

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