遙かなる時空の中で7【宮本武蔵・佐々木大和ルート感想】

最初に青龍の二人をクリアした後、天地で対比が多いなと思ったので、他キャラは二人ずつまとめて感想を書こうと思います。


武蔵くんと大和。共通点として①武器が剣であること、②父親との確執、この二つがメインテーマだったかなと思いました。他の八葉が二人を見守っていて、時に助言をし、そして若い彼らの成長を喜ぶようなルートであった気がしています。私自身も親のような気持ちで見守り、終わった時にはこんなに立派になって…!と思ってました。

まず①剣について。こちらは扱い出してすぐに頭角を表した大和に対して、長年稽古に励んでもなかなか強くなれないと悩む武蔵くんの対比が序盤から描かれてました。武蔵くんのルートはこちらがメインの話で、剣の稽古を通じて様々な人と出会い、成長し、師を超える話でしたね。途中で父親からほぼ見放されてるような状態なのがわかった時もさらっとああそうなんですよ〜って流すもんだからこっちがびっくりしました。と、とんでもないメンタル強者…!強がりでもなんでもなく、本当に父は父で自分は自分と割り切っていて、自分以外の心を変えることは容易ではないとも分かっているんですね。宿の手配や情報収集などの従者としての働きは充分だし、お役目には真摯に取り組むし、仕事早いし、主人を心から慕っているし、神子に対してもいつでも心配りしてくれるし、誰にでも明るく柔らかく接するから周囲との軋轢もないし、いやほんとに剣の腕がなかなか上達しない以外に弱点なくないです???個人的に1番ぐっときたのは共通ルートで呪いを受けて皮膚に妙な紋様が出てしまった七緒に布を被せて手を繋いで歩いてくれたところです。本当に朱雀は優しい人たちだなぁと今作でも思います。あと、武蔵くんルートでは最終決戦のときに八葉が全員集まって助けてくれるんですよねー!ここは俺に任せて先に行けを順番にやってくれて天地で共闘してくれるんですけどめちゃめちゃ胸熱ですよねここ〜!絶対勝つよねみんな!っていう気持ちがあっていいです。(遙か二十年祭の4ドラマを思い出すなどしました………)


逆に大和は剣の腕以外が全然ですよね。いや大和は普通だと思うんですよ武蔵くんがスーパーすぎるだけで…!戦国時代の従者として申し分ない武蔵くんに対して大和ってマジで令和の男子高校生って感じで現代の感覚で突っ込んでくれるので、どのルートであってもその感性にほっとしてました。だよね!?ね!!って大和のセリフに何回も同意してました。そんな大和のルートは怨霊がみえることによる周囲、特に②父親との確執をどう乗り越えるかがメインだったと思います。自分の言葉を信じてくれない親の元で育った大和にとって、幼い頃に出会った天野家の面々は救いであったと思います。七緒たちは疑うことなく素直にこちらをみてくれる。でも全部を鵜呑みにしたり肯定するのではなくて、言いにくいことでもダメなことはダメだと言う。その理由を説明されれば大和も納得ができる。だから信頼している。実親に裏切られてきた大和は自分以外を信じることを恐れているんですが、やりとりを繰り返すうちにルートを通して七緒や八葉をだんだんを信じてくれるんです。いや七緒と五月のことは序盤から結構信じてくれてますけどね。呪いの剣に取り憑かれてしまってみんなから離れたときがありましたよね。自分がいたら迷惑だ、みんなだって声を出さなくても心ではそう思ってるはずだって離れていくんですが、実はこの頃って、ちょっとだけみんなのこと信じ始めてるんですよね。だから嫌悪を突きつけられるのが怖くて先に予防線を張った。呪いを受けた厄介者の自分なんていらないって言われるに決まってる。そうやって先に離れれば傷は少なくて済む。今までもそうやって生きてきた、って。でもね〜〜〜そこに自分がいたら仲間が呪いの影響を受けて傷つくから、だからどんなに辛くても一人でなんとかするって離れたってこともあると思うんです。だって大和は他の朱雀だもの。元々素直で優しい子なんですよ。怨霊にだって気持ちを傾けられるんです。

自らを異分子と思っていた大和に生きる道が見えたように、大和のルートでは、外国人であるカピタンと鬼の一族のターラといった日本にとって異分子である彼らに救いの道ができます。関ヶ原の戦いも大和のルートでは傷つく人が1番少ない結果で、ご都合主義と言えばそういう結果なんですが、優しい大和に相応しいそんな終わりだったなと思います。

信頼できる仲間に出会って、剣を振るうことを通して成長し、父親と向かい合う勇気を得て、決別して新たな地で生きていくことを決めた大和はすっきりした顔をしてました。佐々木小次郎と名前を変えて新しい出発です。宮本武蔵の時点でなんとなく分かってましたけどまさか父親からもらった名前を名乗るとは思わないじゃないですか…。完璧な和解ではなかったけれど、あれがこの二人の最大の歩みよりだったと思います。

武蔵くんと大和。悩んで迷って、進んだ先にこれから歩いていく道が見つかった。その間七緒がずっとそばで支えてくれた。でも七緒だって二人に随分支えてもらっていたんです。お互いに支え合ってこれからも歩んで行ってほしいです。

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