遙かなる時空の中で7【阿国・柳生宗矩ルート感想】

玄武の二人は、一族の願いを背負い、過去の贖罪に生きていて、その姿は美しくて少し悲しいと感じました。その重荷を共に背負って一緒に生きたいと願う二人です。


阿国さんはもうとにかく全てが美しい人だなと思いました。笑顔も泣き顔も昼の快活な姿も夜の憂いた姿も。性別を超越した美しさですよね。ルートを通して隠された過去が明らかになり、明智光秀の嫡男であり七緒の許嫁であったことが判明します。明智一族の皆が命懸けで阿国さんを逃したのはいつか明智家を再興するため。だけど、その才覚も覚悟もないと分かっていて、一族の願いを叶えられないと思いながらもそれを振り払えずにずっと亡くなった彼らのことを思い毎夜夢に見ては謝っている。贖罪の気持ちを持ち続けているけれど、それは期待に答えられない明智一族に対してと、実父が七緒の親を殺したことに対しても、どちらにもなんですよね。もっといえば争いがなくならない世の中に対してもだし、それに力になれない自分自身に対しても。あんなにうなされてるのに一人でなんとかしようとしているのも含めて、本当に優しい人なんですよね。しかも結構初期から七緒の出自に気がついていて、さりげなく気遣ってくれていて。女装したときの気遣いやで快活な姿は演技なんかじゃなくてそれもまた阿国さんの本質の一部ですよね。

阿国さんはそういった過去を背負いながらも、一族再興には動かずに常に中立の立場で各地を転々をする生活をしています。誰かに肩入れするときは友達だから助けたいといった人としてごく当たり前の理由から。本当に生まれた場所が悪かったとしか言えないおひと………その性質は武家の嫡男より平民のほうがよほど向いている気がします。これからは七緒とともに芸能の分野で人を元気付ける旅をしていってほしいです。もうこの美しい人が魘され泣くことがあってほしくない。健やかでいてほしいです。


宗矩さんは逆に、一族再興のために自らを犠牲にしてでもひたむきに働いている人です。自分のせいで、自分に力がなかったから、と過去を悔いているのは阿国さんと同じですけども。違うのは一族がまだ生きているかどうかじゃないでしょうか。だからこそターラは自分がどうにかすると決心してますよね。でもきっと、あのときどういう選択をしたとしても、結果はさして変わらなかったのではないかなと思います。宗矩さんと家康殿の出会いがどうであったのかはわからないですが、本心から尊敬して仕えているのが分かるので、一族再興のために望まない主人に仕えているのではなくて本当によかったです。

玄武二人のルートは過去の己の過ちと向き合うルートだと思っているのですが、阿国さんがすでに亡き一族の皆に対してであるならば宗矩さんの相手はターラです。それ故にルート中では何回かターラに攫われては色々ある感じでしたね。破滅に向かうだけとわかっていて、それでも胸の内にある怒り憎しみをなにかにぶつけなくては気が晴れない。独りで進むしかなく、間違いは正されず、そうして後戻りできなくなったその姿は哀れであり、私もいつこうなってもおかしくないとも思いました。

宗矩さんルートでは力を使った七緒は龍神に取り込まれたと思われてるんですよね。そして宗矩さんはひたすら数年間一人で鍛錬したその剣の力で七緒を取り戻します。何気に1番すごいことやってのけた気がします宗矩さん…!でもね、武蔵くんお手紙朗読事件もなかなかですよ………。顔には出ないけど宗矩さんすごく情熱的ですよね。言葉を尽くしてくれるので七緒は恥ずかしいだろうけど愛されてる実感しながら幸せになってくれ!!

あと関ヶ原のときにちらっと南光坊でてきて、遙かなる時空の中で5にちらりと心が動き天海に想いを馳せていました………5は時間軸的に幕末になりますので興味のある方はぜひお手に取ってみてください!

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