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春の寒暖差を感じる小説

今日は久しぶりの晴れ間でした☀️

雨音に耳を澄ますのも心地いいけれど、時々晴れてくれないとお洗濯物が溜まっちゃいますね。

ようやく訪れた春の季節。せっかくなら晴れた空の下、満開の桜を見に行きたいな。そんなことを思いながら今日は春に感じる寒暖差のようなギャップに翻弄される本2冊をご紹介します!


ぜひ、あたたかくして楽しんでくださいね。

1.幸福な食卓
 (気温差→気分差7℃)

【あらすじ】
主人公、佐和子の家族はちょっと不思議で、ある日〈父〉を辞めると宣言した父、家出中なのに料理を届けに来る母、元天才児の兄の4人家族。そして佐和子には、心の中で次第にその存在が大きくなるボーイフレンド大浦君がいます。それぞれ切なさを抱えながら、つながり合い再生していく家族の姿を描く物語です。


私はこの作品を中学生の時に読みました。
最初は、家族ののんびりした日常が描かれている物語かと思っていましたが
読み進めると、歪んだ家族関係から
少しずつ家族の絆が新しく構成される様子がリアルに描かれています。

佐和子と大浦くんに起きた出来事は
やっぱり衝撃的で信じられなくて、
中学生だった当時、朝の読書の時間に何度も何度もそのページを読み直して、読み間違いなんじゃないかと思ったほどでした。


読後前の穏やかな作品のイメージから
しっかりと裏切られました
ので、読了前後の気温差、いや、気分差は7℃といったところでしょうか🌡️

心の奥にふっとあかりが灯るような、あたたかい読後感をぜひ味わってください。


2.滅びの前のシャングリラ
 (気温差→気分差9℃)

【あらすじ】
一ヶ月後、小惑星が衝突し、地球は滅びる。
学校でいじめを受ける友樹、人を殺したヤクザの信士、恋人から逃げ出した静香。
荒廃していく世界の中で、人生をうまく生きられなかった人びとは、最期の時までをどう過ごすのでしょうか。滅びゆく運命の中で、幸せについて問う作品です。

こちらは発売してすぐ、表紙のインパクトに惹かれて読み始めました。
タイトル通り地球が滅ぶ、その時に向かって生き抜く人間を1人ずつ丁寧に描いているのが印象的です。
着々と滅ぶ瞬間が近づく中、歌姫の叫ぶような歌声が本当に聴こえてくるようでした。


あとひと月しかないと分かったら、自分ならどうするだろう。

大胆な設定と登場人物に対して、繊細な人の心を描くギャップに読了前後の気分差9℃といったところです🌡️
悲しいはずだけど、絶望ではなく穏やかで優しい時間がきっとあなたにも訪れると思います。


初回限定特別付録の書き下ろし、<イスパハン>も非常におすすめ。
ぜひ本編を読了後に読んでみて下さい。


さて、いかがだったでしょうか?
表紙や作者のイメージとかけ離れた作品ほど、やられたなぁ〜!と思いますが、それも本を読む醍醐味。

ぜひあなたも、春の寒暖差のようなギャップを感じる作品に出会ってみてください。