たぬきの弟子育成講座・民訴法
たぬきの弟子育成講座、民訴法編です。全5回にわたり、以下のテーマにそって、講義を行います。
⑴概要
①訴訟物・既判力(R2)、②既判力の拡張(R3)
民訴法は全体像をつかむことが最重要ですが、私は訴訟の目的が訴訟物たる権利の実現であることに着目した整理がわかりやすいと考えています。そこで、まずは訴訟物がどこまでを指すのかを整理し、次に判決によって確定する訴訟物の成否の判断に既判力が与えられ、その客観的・主観的範囲を確認します。
既判力は紛争の蒸し返し防止の観点から、訴訟物たる権利を超えて効力を及ぼすべき要請があり、また当事者間を超えて既判力を及ぼすべき要請もあります。第1回と第2回をセットにして、訴訟の効果に着目した整理を行います。
③弁論主義(H28)
第3回は、判決にむかう審理過程における当事者の活動に着目します。具体的には実体法上の要件事実に即した主張・立証を行うわけですが、これを規律する考えが弁論主義になります。この回は、単なる主張のみならず、証拠との関係で、2段の推定等も扱います。民事実務基礎科目との関係でも重要なテーマです。
④当事者(R4)
訴訟の開始の場面では、処分権主義に基づき原告が訴訟物たる権利・義務を設定するわけです。第4回では、そのような設定をできる当事者とは何かに着目します。当事者の議論は、既判力の主観的拡張との関係でも重要です。
⑤複雑訴訟(H30)
特に当事者の複数をメインで扱います。第三者を当事者として参加させるか、従たる当事者にとどめるのか、そして訴訟当事者が第三者を引き込む場面か、第三者が積極的に訴訟に参加する場面かという状況を意識すると、全体像がクリアに見えてきます。
⑵講義
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