たぬきの弟子育成講座・刑訴法

たぬきの弟子育成講座、刑訴法編です。全5回にわたり、以下のテーマにそって、講義を行います。

⑴概要
①強制捜査・任意捜査(H29)、②令状に基づく捜査(R4)
 第1回、第2回は、捜査の適法性を扱います。新たな捜査手法が開発されたときに、どのように捜査の適法性を考えるかは、試験対策として重要です。強制捜査、任意捜査の2段階の枠組みはよく知られていますが、強制捜査であるときにはどのように適法性を判断すればよいのか、整理しきれていない方も多いと思います。そこで、捜査全般の適法性の判断枠組みを示すこととして、判例を整理していきます。

③逮捕・勾留(R1)
 逮捕・勾留は、言うまでもなく重要であり、逮捕・勾留の要件をしっかりおさえる必要があります。逮捕要件の場面としては別件逮捕の論点があり、勾留の要件としては逮捕前置があるなど、論点と要件のつながりを意識することが重要です。

④訴因変更の要否(H29)
 訴因を苦手にしている受験生も多いと思いますが、その理由は判例をどのように整理するかで学説が統一していない点にあります。そこで、特に訴因の特定、訴因変更の可否、訴因変更の要否を中心に、一定の見地から判例の枠組み、判例の結論をうまく正当化できる枠組みをお示しします。

⑤証拠法(H26)
 証拠の適法性は当該証拠に証拠能力があり、証拠の必要性があるかにより判断でき、証拠能力は関連性があり、証拠禁止にあたらないことが必要です。この大枠に基づいて、関連性の論点としては何があるか、証拠能力の論点は何があるか、などと論点の位置づけを明確にします。その上で、とくに伝聞証拠の処理手順をお示しします。伝聞証拠該当性は、供述証拠か、内容の真実性が問題になるかの2段階で検討するという手順を徹底すれば、間違えにくくなります。

⑵講義

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