たぬきの弟子育成講座・商法

たぬきの弟子育成講座、商法編です。全5回にわたり、以下のテーマにそって、講義を行います。

⑴概要
①株式譲渡・共有(H23)、②株式の発行(R4)
 第1、2回はセットの講義として、株式周りを扱います。会社法は登場する主体が多いため、誰と誰の、どのような法律関係なのかを意識することが肝心です。まずは、会社と株主の関係を基礎づける「株式」に着目します。
 株主は会社に対して出資するわけですが、反面、会社に対して株主権を行使していきます。株主権こそが会社に対する支配権であり、この支配権の獲得をめぐって紛争が生じます。

③取締役会・株主総会決議の瑕疵(R1)
 第3回は会社の内部行為です。会社がどのように意思決定をするかは、第一次的には取締役会であり、究極的には株主総会の決議です。総会決議には株主保護のために特別の訴訟(取消・無効確認など)が法定されていることが特徴です。

④競業・利益相反(H30)
 第4回で扱うのは、会社と役員の関係です。会社に対して役員(取締役など)が負う責任の根本は善管注意義務・忠実義務ですが、取締役として会社に対して忠実義務違反の恐れの高い行為には規制がかかります。これが競業取引や利益相反取引の規制であり、予備・司法試験でも頻出ですので、論点の相互関係を体系立てて学習する必要があります。

⑤第三者責任、代表行為(R3)
 第5回は、会社役員と第三者の関係を扱います。取締役の行為によって損害を被った第三者が存在する場合、会社の取締役と第三者は本来なんら契約関係がないので民法的には不法行為責任しかないはずですが、会社法429条は役員の特別の法定責任を定めています。また、取締役の行為が会社に帰属されるなら会社に契約責任を追及できますが、会社に帰属しない行為についても、表見法理などによって責任追及が可能になります。

⑵講義

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