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映画『コヴェナント/約束の救出』感想

これは名作。
ネタバレあり。

あらすじ

2018年、アフガニスタン。タリバンの武器や爆弾の隠し場所を探す部隊を率いる米軍のジョン・キンリー曹長は、アフガン人通訳として非常に優秀だが簡単には人の指図を受けないアーメッドを雇う。通訳には報酬としてアメリカへの移住ビザが約束されていた。部隊は爆発物製工場を突き止めるが、タリバンの司令官に大量の兵を送り込まれ、キンリーとアーメッド以外は全員殺される。キンリーも腕と足に銃弾を受け瀕死の状態となるが、身を潜めていたアーメッドに救出される。アーメッドはキンリーを運びながら、ひたすら山の中を100キロ進み続け、遂に米軍の偵察隊に遭遇する。7週間後、回復したキンリーは妻子の待つアメリカへ帰るが、アーメッドと家族の渡米が叶わないばかりか、タリバンに狙われ行方不明だと知って愕然とする。アーメッドを助けると決意したキンリーは、自力でアフガニスタンへ戻る——。

『コヴェナント/約束の救出』公式サイト
https://www.grtc-movie.jp/

公式サイトから引っ張ってきたけど、めっちゃ書くやん。
ストーリーの中盤~終盤まで踏み込んでる。
まあでも、その過程が面白いタイプの映画だから、ネタバレもクソも無いか。

米軍兵士のジョン・キンリーは、現地で通訳として雇ったアーメッド含む部隊を引き連れて、タリバンの爆弾工場を突き止めるものの、奇襲を受けてしまい、キンリーとアーメッド以外が全滅。
ここから2人の逃亡劇がスタートすることになる。

私はあんまり事前情報を仕入れずに視聴するタイプだったから、序盤、怒涛の軍人登場で「名前覚えらんね~~」と思っていたが、いらぬ心配だった。
この映画はキンリーとアーメッド以外覚える必要が無い。

話を戻して、身の回りの装備以外何も無い2人が、遠く離れた米軍基地へタリバンの目を掻い潜りながら向かうことになる。
このパートが非常に面白かった。
常に緊張感のある2人、夜を明かす時も心が休まることは無い。
ただひたすら山の中を突き進む。
時折遭遇するタリバン兵も、その華麗な身のこなしと神エイムで薙ぎ倒す。
このバディ感が良かったなぁ。2人の信頼関係が育まれていく過程が、この緊張感の中でもしっかりと伝わってくる。

そんな中、夜明けに近くまで接近していた敵から襲撃を受け、足や腕など数か所に銃弾を食らい、キンリーは重傷を負ってしまう。
生け捕りの方針のため、タリバンの車に連れていかれそうになっていた所、身を潜めていたアーメッドが敵数人を鮮やかに撃破。
はぁ~かっけ。

で、ここからよ。
アーメッドは、瀕死のキンリーを見捨てることはせず、担架に乗せて引きずるように運ぶ。
アーメッドは死んだタリバン兵から身ぐるみを剥ぎ、衣服を偽装。
いやぁ、見た人は共感してくれると思うけど、マジでアーメッド最高な奴なんだよ。
何日も何日も、キンリーを運び続け、時には取引で車を入手したと思えば、反タリバン派から情報を仕入れて、車では通れない山道を手押し車で必死に突き進んだりと、なんでここまでしてくれるんだと。何ならここでちょっと泣いたわ。アーメッド、最高すぎ。
劇中では時間経過を正確に追えてなかったけど、公式サイトによると、7週間後に米軍と遭遇し救出。え、7週間!?
100キロ超もの山道を、米兵を運びながら敵から逃げながらって…すごすぎ。
これは一生ものの恩。

キンリーは一命を取り留め、気づいたころにはアメリカへ帰国。
しかし、アーメッドはタリバンから指名手配を受けることになり、妻と赤子を連れて潜伏生活をしていると耳にする。
そこからのキンリーはすごい。
なぜアーメッドにビザを手配できないんだと、何回も何回も電話して声を荒げながら訴え続ける。
そうよな…。あんな絶望的な状況を救ってくれたアーメッドが、今も逃げ続けているなんて、自分が不甲斐なくて不甲斐なくて仕方ないだろう。
返しきれない恩を仇で返すことはできないと、キンリーはアーメッドを助けにアフガニスタンへ飛ぶことを決意。

ここからは結構怒涛の展開。
キンリーは協力者を得てアーメッドの潜伏場所を突き止め、アメリカに行く飛行機との集合場所に設定したダムに向かう。
その過程でタリバンとドンパチやることになるのだが、最終的には応援が間に合い、空中からの銃撃で敵を一掃。
アーメッドも家族分ビザを取得し、アメリカへ飛ぶ飛行機の中で物語は終了する。

実話では無いとのことだが、まるで実際にあったことのような緊張感とリアリティ。
EDでは、現在もアフガニスタンには米軍の通訳を務めた現地人が数千人も逃げていると記載があった通り、アフガン侵攻におけるアメリカの無責任さにも目を向けずにはいられない。


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