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生き残り戦略

どこかの民族の生き残り戦略

軍事力が弱かったYの民は昔

E王国の奴隷にされていました

長い奴隷生活が続いたので

心の救いが無ければ生きてゆけませんでした

その心が「神」という存在を発明しました

「神」とは「王」より上の存在です

だから、「王」の支配から逃れるために

「神」が必要だったのです。

その「神」の概念は、瞬く間にYの民の間に

広がり、共有され、生きる希望になりました。

ある日、Yの民の族長「ガイア」が

みなの者に、号令を発しました

奴隷辞める!我々は、王の支配から脱出し

新天地へ向かう!

「我々は、王ではなく神に従う」と

Y民族の大移動が始まりました

それこそ、「ヌーの川渡り」的な

爆発的な移動劇でした。

多くの犠牲を払ったものの何とか

新天地へたどり着いた

Yの民の子孫は、しばらく主権を取り戻し

平和に暮らしていました。

主権とは、自分達のことは自分達で決める権利です。

しかしこの自分達という言葉が曲者です。

「自分達」というのはいったいどこからどこまでの

人のことなんだろうか?

人々の解釈はあいまいでした。

そこで、Y民族はうまいこと考えました。

「同じ神と同じ神話を共有する人々を同胞民族とみなす。」

です。

一つの、考えが確立すると、秩序ができます。

多くの人がその考えに賛同し、「王」より上の

「神」に主体的に従う、神の国が誕生しました。

理想郷を、作り出したのもつかの間

元の支配者E王国の追っ手がやってきました

またしても、軍事力が弱かったY民族は

奴隷として、E王国の支配下に入れられてしまいました

そして、王は言いました

「あなた達の信じている神は、実は悪魔です。」

「そして私こそが、本当の神から人間を支配、統治、管理

するように、委託された真の支配者なのです」と

しかし、賢いY民族はだまされません。

「いや、それは?です。なぜかというと、神は唯一

我々の信じている神だけしか存在しないからです。」

「王の言っている神こそが邪教の悪魔です」

武力で物理的に制圧しても

心のなかまでは、もう支配することはできませんでした

そしてY民族は、次の生き残り作戦をこれまた

うまいこと考えました。

「散らばって暮らす」です。

一箇所に居たら、また王の追っ手が来て

連れ戻されて奴隷にされてしまう

だから、民族の種を残す生き残り戦略として

てんでんばらばらに、散らばって逃げて暮らすのです。

こうして、Y民族の子孫は、世界中に拡散しました。

同じ神と同じ神話だけをもって・・・。

しかしです。

A国に行っても、B国に行っても、その国の

ルールが個別に存在し、どうしてもあとから移民してきた

Y民族は、最下層の奴隷的ポジションにしかいけません。

そこで、うまいこと考えました。

「お金」という概念です。

物々交換に頼っていた当時の人々は

必要なものを保存できませんから

狩のできない時期や、食物の収穫期以外は

食べるものの確保に、こまっていました

海の民の国では、魚が大量の時はいいのですが

いつも大量とは限らず、また多すぎても腐ってしまうだけ

逆に山の民の国では、食べられる獲物の食料となる

草や木の実が雨季、乾季により大幅に左右されます。

平野の農耕民族でさえ、まだ効率的に満足に収穫物を

育てることができません。

そこで、バザールにて月に何度か物々交換していたのですが

保存ができない。

交換比率に、誤差が出るなどの理由から

通貨の発明が、ある意味安定的に食料を得る

道具に最適だったのです。

Y民族はそこに目をつけ、この通貨システムを

洗練しました。

そしてその通貨自体を発行する権限や

その通貨自体を融通する権限を握ったのです。

これで、実態としての「物」が無くても架空の通貨さえ

どんどん刷れば、いくらでも物を集めることができます。

まさに打ち出の小槌的ツール。

ドラえもんかあんたらと。

しかし、通貨システムも万全ではありません。

なぜかというと、国によって、通貨やルールが違うため

自分達の発行した通貨が使えない地域や

その国の王様が独自のルールを使っているため

自分達の主張が通らない地域もたくさんあります。

そこで、またうまいこと考えました。

「法律、条約、契約」といわれる「約束」です。

ルールを共有して、同じルールでやりましょうよ。

そうすることで、自分達の発行する通貨が使えるばかりか

軍事的な制圧なしに、資源を略奪できるのです。

ルールメーカーとしてのポジション取りに成功した

Y民族は、「神」「お金」「法律」によって

世界中、どこででも個人の権利を建てに

お金を融通し、奴隷でなく市民として堂々と暮らす

ことができるようになりました。

気がついたら、いろんな国の政府にお金を貸し付け

兵器も売りつけ、隣接する国同士を仲たがいさせ

影で、自分らが生き残るという

うまいこと考えた民族が居ましたとさ。

それを、デバイド・アンド・ルールって言うらしいです。

世界中のお隣同士の国が、なぜ中が悪いのか?

わかる気がしてきました。

日常の人間関係にも似たような感じで

共通の敵を作ることで生き残る戦略も使われていますね。

考えないといけないのは

「我々が戦争をして、一番誰が得するのか?」

「お隣同士が、どうやったら仲良くなれるのか?」

問題は、それを判断するための情報が

客観的に真実だと検証できないから

政府のプロバガンダに多くの国民が乗せられ

「愛国心」や「他国への反感」をあおられ

取り返しのつかないことをやってしまうというとこ

人類という立場で、地球という同じ船に乗ってみますか?

どうします?

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