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怖い先生が 先生らしい先生?

1年のしめくくりの時期が来ました。

 私が、いつも恒例にしているのが『先生への手紙』です。成績表を一人ずつ渡すときに、1人3分くらい、頑張ったこと・次の課題にしてほしいことを話すので、その時間に子どもたちに私への手紙を書いてもらうのです。1年間で思い出に残っていること。自分が成長できたと思うこと。そして、先生に言いたいこと。いいことも、そうでないことも書いていいと伝えています。

 私は、それを読むのをとても楽しみにしています。次の年を迎える自分へのアドバイスだと思うからです。今までに書いてくれた子どもの手紙はずっと残してあって、ときおり読み返すこともあります。

 さて、今回の手紙にこんなことが書かれていました。

「先生は 優しすぎます。先生というのは 怖いものですよ。先生らしく、もっと怒った方がいいと思います。」

 自分でいうのもなんですが、私のクラスは活発に意見が出せるとても明るい素敵なクラスです。私が優しすぎて、みんなが自分勝手をして何か問題が起こっているというようなことはありません。この子の率直な感想なのでしょう。優しい・怖いという判断って、人によって異なるし、難しいですね。

 私は、自分が優しすぎるとは思っていません。宿題は、毎朝必ずチェックして、やっていない場合はその日にやらせます。忘れ物に対しても、なぜ忘れるようなことになったのか、次回は何に気をつければよいのか、今回はどう対処するのかの3点セットを言わせるようにしています。挨拶や言葉遣いにもうるさいし、けっこう厳しい方だと思っています。

 その際、大きな声で注意したり怖い顔になったりしないように気をつけてはいます。

 なぜかというと、私自身、怒られるのは嫌い。怒られるより、褒められるのが好きだからです。

 子どもたちもきっと同じだと思うんです。だから、注意するときに怒るよりも、それが改められたときに、褒めるようにしています。誰でも、褒められたら嬉しい。そうすると、もっと頑張ろうと思うからです。

 

 子どもたちには、こう伝えました。

「怖い、優しいというのを どう決めるのかは むずかしいね。ただ、1つ言いたいのは、みんなには、怖いから言うことを聞くという人にはなってほしくない。もしそうなったら、世の中は、怖い人の言いなりになってしまうし、怖い人でいっぱいになるよ。」と。

 怖くない=優しい 小学生では、そう捉えて当然なんでしょうね。成長に伴って、そこから一歩進んで、優しさについて考える日がやってくると思っています。

 でも、子どもって おもしろいですね。怖くしてもらわなければ、自分たちは、よい方向に進めないと言っているんですね。本当は、怖いのは嫌いなのにね。子どもらしくて正直だと思いました。まあ、大人でも、そういう言い訳をしたくなるときってありますものね。

 優しいと言われるのは嬉しいけれど、『すぎる』という表現については、次の年の私の課題としたいと思います。

 子どもの文を読むとき、考えさせられることが多いですね。だから、また、来年度も『先生への手紙』は、続けるつもりです。

 

 


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