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今さら聞けない筋肉づくりのギモン!(栄養編)

「筋肉をつけるには、とことんトレーニング!」って思ってませんか?

そんなあなたはちょっとキケン!
筋肉をつけるにはトレーニングはもちろんですが、それ以前にバランスの良い食事がとても大切なんです。

なんとなくは分かるけれど、きちんと実践できているか・・・
そもそも何が正しくて、何が間違いなのか分からない・・・

世間にはいろいろな情報が溢れているので、うっかり間違った知識や方法を信じてしまっている可能性もあります。

今回は、筋肉づくりにおけるちょっと気になる疑問をスポーツ栄養学に基づいてお答えしていきます。

ご自身の知識を試したい方は、クイズ感覚で読み進めていってください!

1.トレーニングをしても筋肉が付かないのはなぜ?

A:主食が少ないなど、エネルギー不足の可能性あり

摂取したたんぱく質が筋肉合成に利用されるためには、体内のエネルギーが充足していることが必要条件です。

筋肉をつけようとたんぱく質の多い食品を摂っていても、ごはんやパンといった主食が少ない食事をしているとエネルギーが不足します。すると、筋肉合成は進まず、筋肉が付きにくい体質になります。

2.筋肉を増やすにはささみ肉が最適?

A:たんぱく質はいろいろな食材から摂取しましょう

筋肉を増やすには材料となるたんぱく質が欠かせません。もちろん、鶏ささみ肉は高たんぱく低脂肪で、たんぱく質源としては優秀な食材です。

しかし、筋肉づくりという点では牛赤身肉がおすすめです。牛赤身肉は、筋肉の源である「たんぱく質」、貧血予防に役立つ「鉄」、骨や筋肉の成長に必要な「亜鉛」などのミネラルも多く含んでいます。また、たんぱく質から筋肉が作られるのを助ける「ビタミンB6」も豊富です。

ただし、特定の食品にこだわることなく、なるべく多種の食材からたんぱく質を摂取して、栄養バランスを整えましょう。

3.肉より魚を食べた方が良いの?

A:たんぱく質補給の観点からは肉と魚に差はありません

栄養面での違いはありますが、肉と魚のどちらか一方が良いと言えるような根拠はありません。

肉と魚の栄養面での差はたんぱく質ではなく脂肪の種類にあります。魚は肉よりも「多価不飽和脂肪酸」を多く含んでいます。

多価不飽和脂肪酸は血中の中性脂肪やコレステロール値を調整する働きがあるという点で注目されていますが、食材として肉より魚の方が優れているということではありません。

4.プロテインって必要?

A:プロテインは必ずしも必要ではありません

栄養補給の基本は食事です。食事から十分なたんぱく質が摂れていれば、プロテインは必要ありません。たんぱく質を摂れば摂るほど筋肉合成が高まるわけではないからです。

ただし、疲労回復や筋力アップのためには、トレーニング後30分以内にたんぱく質を補給することが有効なので、すぐに食事を用意することが難しい場合などは手軽なプロテインが活躍します。

5.糖質制限は行うべき?

A:トレーニングをする人には糖質制限はおすすめしません

主にごはんやパンなどの主食を減らして、糖質の摂取量を控える「糖質制限」は体脂肪を減らす効果が高いと言われています。

しかし、主食はたんぱく質をはじめ多くの栄養素の供給源のため、主食を減らしてしまうと栄養素のバランスを整えることが難しくなります。

間違った糖質制限をすると、エネルギー不足、筋肉量の減少や体力低下、怪我のリスクや脳の疲労にも影響するので注意が必要です。

★【糖質制限を行うときのポイント】
①糖質が総エネルギー摂取量の50%以下にならないようにする
②肉、魚、卵、大豆製品などでたんぱく質をしっかり摂取する
③青背の魚などから良質の脂質を摂る
④ビタミンやミネラル不足を防ぐため、野菜、きのこ、海藻などを積極的に食べる
⑤くだものを適量食べる

6.ごはんとパンではどちらが良いの?

A:そのまま食べるならどちらでも良い

ごはんでもパンでもエネルギー源としてはどちらを選んでも構いません。

ただし、食べる際にはジャムやバターなどをつけて食べることが多いため、エネルギー摂取量が多くなりやすい可能性があります。
また、市販のパンには添加物が含まれているものが多くあります。

余分な脂質を減らし、より健康的な食事を好む方はごはんを選ぶと良いでしょう。

7.スポーツドリンクは薄めた方が良い?

A:薄めない方が良い

市販のスポーツドリンクはそのまま飲むことで運動中に必要な水分・炭水化物・ナトリウムが補給できるように調製されています。

エネルギー消費量の多いトレーニングの際には、トレーニング中にエネルギーが欠乏しないよう炭水化物の摂取が必要なことがあるので、スポーツドリンクを薄めて飲むことはおすすめしません。

しかし、健康維持やダイエット目的で発汗量が多くない運動をしている場合は、薄めて飲んでも良いですが、基本的には血糖値が低下するようなことが無ければ、スポーツドリンクを飲む必要はありません。

8.野菜ジュースは野菜の代わりになるの?

A:市販の野菜ジュースは野菜の代わりになりません

市販の野菜ジュースでは、商品によっては後から栄養素を添加しているものもありますが、加工の過程でビタミンCや食物繊維などの栄養素が損なわれてしまいます。また、野菜ジュースだけでは、とれる野菜の種類は限られます。

ただし、ビタミンAや鉄など、ジュースにした方が吸収率が上がる栄養素もあるので、食事の補助として手軽な野菜ジュースを活用することは有効です。

9.ビタミンやミネラルはたくさん摂るべき?

A:多く摂るほど効果があるものではありません
ビタミンやミネラルをたくさん摂ることで運動能力やトレーニング効果が高まることはありません。

ビタミンやミネラルは不足すると身体機能に支障が出ますが、過剰に摂取すると身体に悪影響がある種類もあるので、適量を心掛けましょう。

10.アルコールは飲まない方が良い?

A:食事がおろそかになったり食べ過ぎたりしない程度ならOK

アルコール飲料は食欲を増進させるので、飲酒で太るのは食べ過ぎによる影響が大きいと考えられます。

一方、飲み過ぎるときちんとした食事を摂ろうとする気持ちが損なわれることもあります。

上記のような飲酒による影響は、せっかくのトレーニングの効果をなくしてしまうことにもなるので、適量に留めましょう。

(一般的に適度な飲酒は1日平均で純アルコール量として約20g、限度は40~50g。平均的には体重1kgあたり・1時間当たり0.1gのアルコールが処理可能。)

まとめ

あなたはいくつ正解できましたか?

なんとなく正しい答えは分かっていても、その根拠や背景は知らなかったという項目もあったかもしれませんね。

良い筋肉は良い食事から!
栄養面も意識しながら、筋肉づくりを行っていきましょう!

参考文献
『女子栄養大学のスポーツ栄養教室』
『ジムに通う人のスポーツ栄養学』

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