中小企業診断士に求められる講師力(1)

中小企業診断士の活動分野の一つに教育事業があります。いわゆる講師業です。私自身の現在の仕事が社員教育に携わっているので、研修やセミナーの講師を目指す中小企業診断士の方に知っておいてほしいポイントを自分なりにまとめていきたいと思います。その第一弾は研修やセミナーの種類について記載していきます。

講師業を行なうにあたっては、自分がどのような研修を要望されているのか理解しないと、得意先様の要望に応える講義内容を行えないからです。まずはそれぞれの種類と目的を理解する必要があります。

下記の分野別研修・セミナーマトリックス図は、私が所属している会社で、関連会社や販売代理店様など向けに実施している社員研修やセミナー関連をまとめたものです。いわゆるOFF-JTと言われる分野です。

まず研修とセミナーの違いを説明します。
研修は企業内で社員向けに実施することが多く、業務上で必要な知識や技能を学ぶ事が目的です。会社が設定した経営理念、中期計画や経営計画などを達成するために必要な能力やスキルをテーマにすることが多いです。新入社員研修、中堅社員研修、責任者研修などがそうです。実施時間は半日や1日で終わるものもあれば2−3日かかる場合もあります。

それに対してセミナーは、一般的に広く対象者が募集され、企業や組織に関係なく参加しているものが多いです。主催者である企業などがテーマを設定して、それに合わせて講師を選定する場合が多いです。時間的には90−120分が主流です。

研修の中でも下記項目があります。
①階層別研修
企業の組織階層に合わせて対象者を分けて、各階層で必要とされる考え方や知識、スキルを身に付けてもらうことを目的としています。能力開発研修とも言われています。

②任用研修
役職者へなる前のふるい落とし的な研修から、登用後に責任者としての自覚や役割必要なスキルをまとめて行う研修などがあります。最近は第三者の方から評価をもらうアセスメント研修も多くなっています。

③スキル研修
階層別研修とは別に、企業が掲げる短期・中期的な経営計画を達成するため課題解決につながるスキルを習得するために実施するのが多いです。

④資格取得研修
業務に必要な資格取得を目的とした研修です。弊社の場合は建築士や電気工事士など建築関係が多いです。業務によって違います。

⑤経営・組織課題系研修
新規事業開発や新顧客開発、企業変革、組織のモチベーションアップなど企業が抱える課題をメンバーを厳選してプロジェクト的に実施することが多いです。例えば従業員満足度調査で組織の壁問題があり、組織間のコミュニケーションをよくするために職場活性化研修を行ったりします。

セミナーにも種類があります。
①集客用セミナー
新商品発売会や展示会、販促イベント開催時に得意先を動員するためのセミナーです。

②企業のイベントセミナー
企業の記念行事や得意先向けコンテストの表彰式、業界団体の総会などに行うセミナーです。知名度を求められます。

③取引先勉強会セミナー
得意先がさらに取引先を囲い込むために勉強会を行う場合があります。その際に色々なテーマのセミナーを行う場合があります。現在よく話題に上がるテーマが多いです。例えば「建設業でのAIやIOT」「ハラスメント研修」「離職率防止」などです。

④安全大会セミナー
建設業界はちょっとした油断で死亡事故につながることが多い仕事です。それゆえ初心を忘れず日々の仕事で安全確認が求められます。その安全確認につながるテーマをセミナーに求められます。

⑤労働組合向けセミナー
労働組合の幹部や組合員向けの勉強会セミナーです。

主に以上になります。
多くの中小企業診断士の方が研修やセミナー分野で活躍しています。

今後は研修・セミナー企画、人材育成に使える助成金、講師料相場などを記載していきます。今後もよろしくお願い致します。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?