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衝撃的な事件について

7月8日、もう2週間も前のことなんだね。
その日はいつもと何ら変わり映えのしない普通の金曜日になるはずだった。

さぁ、お昼ご飯作ろうか!とゲームをしていたスマホから顔を上げようとした時、ちょうど「ニュース速報」がポップアップされた。

「安倍晋三元首相、奈良県での選挙演説中に銃撃 心肺停止で搬送される」

はぁ⁉︎銃撃⁉︎この平和な日本で⁉︎まっさかー!ないない!と笑ってしまったが、え…??銃撃?とすぐに頭の中がパニックになった。

テレビをつけると軒並み番組が安倍さん銃撃の特番に切り替わっていてテレビでもTwitter上でもその瞬間の映像が流れ始めた。

すぐに警備に取り囲まれ確保される容疑者。
マイクで周囲に呼びかけや指示を出すスーツ姿の人。←後に天理市の市長さんだったと判明。
胸骨圧迫をする人。
騒つく市民。
顔面蒼白で横たわり搬送されていく安倍さん。

銃撃は現実の事だっだんだ…と愕然とした。


私の趣味は海外ドラマを観ること。特に捜査官が出てくる作品が好きでよく観ている。
その作品の中では海外という事もあり銃撃のシーンがかなり多い。そして撃たれた半分以上の人は亡くなってしまう。
死ぬな!と必死に呼びかけられてる状況で死んでしまう。
そのシーンが頭に浮かんでしまった。

生きている人は急所を外れていたり、かすり傷だったりするから、安倍さんの撃たれた箇所も足や腕とか死に至る場所じゃ無ければ…怪我で済めば…命だけは助かってほしい…と祈っていたが、とても残念な結果になってしまった。


国民の銃の所持が許可されていない夜でも平気で出歩ける平和な日本でこんな事件が起こるなんて…。


安倍さんを受け入れた病院の会見も見ていたけれど、簡潔な医師の説明から到着した時点でかなり厳しい状態だったんだと思った。
搬送が遅いと批判する人もいると思うが、ドクターヘリは決められた場所で発着陸をしなければならず、救急要請から約40分でヘリに収容されているのは十分に早いと思う。

ヘリに収容されてから飛び立つまでに出来る限りの処置をしなければならない。飛んでいるヘリの中はかなり揺れるし高度な治療は出来ないから。

病院に到着してから20人以上もの医療関係者が対応にあたり、懸命な救命処置を行った。
特別な事のように思うかもしれないが、救命センターってそういう所。
命を救う場所だから、搬送時に心肺停止だろうが意識があろうが要人だろうが一般人だろうが関係なく全力で救命する。
出血箇所見つけて止血を試みて心拍再開してくれ!と全力でやるだけ。開胸したのは出血してる場所を探すためと直接心臓マッサージをするためだろうけど、心臓に穴が空いていたとなると、心臓自体にかなりのダメージを負っているから相当厳しかったんだろうなと予想できる。
100単位以上の輸血なんて聞いたことがないし、それくらい酷い傷が何箇所もあって血を入れても入れても出血してしまったんだろう。

奥様が到着してすぐの死亡確認だったことから、たぶん生存は絶望的だけど人工呼吸器繋いで止血処置と輸血しながら奥様を待っていたんだと思う。

病院の会見で失礼な質問をしていた記者がいたが、救命センターの医師たちは病院到着からのことしか分からない。それまでの経緯をゆっくり聞く暇もなく、心肺蘇生を始めた時間や使った薬剤、今の容態を聞いて治療に取り掛かる。
ひと段落ついた頃に搬送までの状況を整理して…って感じかな。
「お答え出来るのは傷のことだけです」と何度も言ってたけど、本当にそうなんだよ。
要人のこととは言え奥様のことを勝手に答えることは出来ないし、病院到着からの経過について丁寧に何度も答えてたけど、何で何回も同じ質問するんだ⁉︎さっき答えたやん!ってテレビで見ながら腹が立った。
即死…ということですか?なんて聞くもんじゃない。
傷の場所や数、深さ、治療の内容は聞いても良いけど、本当に愚問が多かった。
あと先生の態度について色々と言っている人もいるが、何度も何度も同じ説明をしてくれていたしわかりやすく丁寧な説明だったと思う。「先程も申し上げました」とぶった切っても良かったはずなのにちゃんと答えてくれてた。
救急医って救命現場の最前線で働く医師の事でその場は殺伐としているし、座りながら悠長に治療している場合ではない。医師自身も指示を出し時には走り回りながら処置をしていく。切迫している時には強い口調で指示を出す事もある。
色々な症例に遭遇しても動揺せず即座に判断して治療をする救急医はあの先生のようなクールな印象がある。ただし仕事モードの時に限る。私の知ってる救急医はプライベートの時はかなり陽気な普通のオジサンだが、仕事中は目つきが違うし口調も変わってる。それが救命現場で働く人の姿なんだろう。
あの会見はにこやかに話す内容の会見ではないし、患者が亡くなるのは医療従事者にとっても悔しいし辛い事。助けられなかった無念さもあると思う。

あれだけ何度も同じことを説明してもらっておいて、
膵臓および大動脈損傷による失血死ってテロップ見た時は何を聞いてたの⁉︎って驚いた。
膵臓関係ない!心臓や!って思わずツッコミを入れた。

私自身が医療従事者だったし、救急センターがある病院で働いてたし、救急室で働く事もある師長や副師長から話を聞いていた事もあり、だいたいの状況がわかる。
救急車は原則断らないとしているその病院は事故や事件の被害者が運び込まれる事もあるし、その時の現場は指示が飛び交い医師や看護師、技師たちが走り回り戦場のようだと聞いた。

誰も死なせたいなんて思ってない。目の前の命を救いたい!生きてくれ!って思いながら動いてるって言ってた。

どんな症例でも対応しなきゃいけないから救急医は知識が豊富。それでも銃槍なんて日本国内では身近な症例ではないから治療にも苦労したのではないか。
残念な結果になって悔しいのは家族やその関係者だけじゃなくて治療にあたった医療関係者も同じだ。

今回のことはどこの病院で対応したとしても結果は変わらなかったと思う。

どうか全力で救命しようと努力した病院関係者を批判せず労ってあげてほしい。


正直に言うと、政治には興味がない。
どの政党がどんな理念を掲げてどんな公約を出しているかなんて知らない。

そんな私でも安倍さんが総理大臣としても国会議員としても頑張っていた事は知ってる。
子育て世代としては保育料の無償化は本当にありがたかった。それにコロナの特別給付金も。
他にも様々なことに尽力していたと亡くなった後に知ることになってしまった。

重鎮だらけの国会議員の中で若手の安倍さんが一気に改革を進めていくことは無理だったけど、少しずつ着実に良い日本へと変えようとしていたんだなと知った。

この衝撃的な事態に海外の要人たちがコメントや弔電を送っていると知り、安倍さんがとても日本を愛していて、より良い日本にしていきたいと思っていたことがわかった。
それに人柄も良くてたくさんの人から慕われていて外交が上手な人だったんだなと思う。
色々なことがありストレスも多かったと思うけど、持病を抱えながらよく頑張ってくださったと思います。

現首相の岸田さんが目を真っ赤にして会見していたけど、2人は同期で仲が良かったんだね。
友であり同志でありライバルである人が突然こんな形で亡くなるなんて思ってもいなかっただろう。
温和な印象があった安倍さんと違い、クールに物事を進めていく印象だった岸田さんが感情的に話していて実はとても人情味がある人なんだと思った。

安倍さんが亡くなったのは病院のせいでもなく、警備…は問題あったかもだけど、1番責められるべきなのは被疑者だ。

何を思って犯行に及んだのかしっかり究明してほしい。
なぜ怪我をさせるだけじゃなく殺さなければならなかったのか。なぜ安倍さんだったのか。

某宗教団体と関連があったそうだけど、政治ってそんなもんだと思う。宗教団体からの票も大切な1票になるんだし、ぜひウチの政党に入れてください!ってお願いにも行くだろ。
関連の団体にコメントしているのを見たからって殺害計画を立てるほど憎めるものなのか…。
元々あった憎しみが爆発したのか…思い込んでしまって後戻りできなかったのか…。
それは加害者側しかわからない。


今回失った人の偉大さを知るのは今後だろう。
安倍さんが居てくれたら…なんて時がきっと来る。
彼が目指した 美しい国 が実現していたらどんな国になっていたのだろう。

国葬が決まり批判も出ているけれど、あれだけ海外の要人からの弔意が多いことから、その人たちを国葬で招き入れて新たな関係作りの外交の場として国葬を行うんだと私は思ってるんだけどどうなんだろ?

国葬は個人のお葬式ではないはず…なんだが…
勘違いなさってる?
税金で執り行うことには少し不満はあるけど、それだけ重要な人を失ったという事なんだって思っておく。

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