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Windows 11 ProノートPCのBluetoothマウスとテザリング不具合解決記

最近、古いWindows 11 ProノートPCでBluetoothマウスがつながらないトラブルが発生しました。取り急ぎ、汎用USB-Bluetoothアダプタを接続。アダプタを自動認識し、再ペアリングでマウスを復旧。Intelの統合Wi-Fiアダプタを最新ドライバをダウンロードし更新したところ、本体内蔵Bluetoothでのマウス接続も回復しました。

一方、マクドナルドでdocomoスマホを使ってテザリングを試みた際に、PCが接続できない。もう一台のWindows PCでは問題がない。原因を探ることに。

PCのWi-Fiアンテナに見慣れない大きな「X」印の表示。無理に接続を試みてもつながりません。スマホ側の設定を確認すると、テザリングの認証条件が「WPA3-Personal」のみに設定されています。これが原因でした。設定を「WPA2/WPA3-Personal」に変更し、PC側から再度接続を試みると、あっけなく接続に成功。


以下のコマンドでWi-Fiのハードウェアを含む接続仕様を一覧表示。確かにWPA3はサポート外であることが分かります。最新ドライバに更新した後も同様です。

PS C:\Users\taniy> netsh wlan show drivers

インターフェイス名: Wi-Fi

    ドライバー               : Intel(R) Dual Band Wireless-AC 8265
    ベンダー                 : Intel Corporation
    プロバイダー             : Intel
    日付                     : 2022/07/24
    バージョン               : 20.70.32.1
    INF ファイル             : oem75.inf
    種類                     : ネイティブ Wi-Fi ドライバー
    サポートされる無線の種類 : 802.11b 802.11g 802.11n 802.11a 802.11ac
    FIPS 140-2 モードをサポートする: はい
    802.11w 管理フレーム保護をサポートする: はい
    ホストされたネットワークのサポート: いいえ
    インフラストラクチャ モードでサポートされる認証と暗号:
                                オープン             なし
                                オープン             WEP-40bit
                                オープン             WEP-104bit
                                オープン             WEP
                                WPA-エンタープライズ     TKIP
                                WPA-エンタープライズ     CCMP
                                WPA-パーソナル        TKIP
                                WPA-パーソナル        CCMP
                                WPA2-エンタープライズ    TKIP
                                WPA2-エンタープライズ    CCMP
                                WPA2-パーソナル       TKIP
                                WPA2-パーソナル       CCMP
                                オープン             定義されるベンダー
                                定義されるベンダー        定義されるベンダー
    サポートされているバンドの数: 2
                                2.4 GHz [ 0 MHz - 0 MHz]
                                5 GHz [ 0 MHz - 0 MHz]
    IHV サービスの表示       : はい
    IHV アダプター OUI       : [00 00 00]、種類: [00]
    IHV 拡張性 DLL パス      : C:\Windows\system32\IntelIHVRouter06.dll
    IHV UI 拡張性 ClSID      : {00000000-0000-0000-0000-000000000000}
    IHV 診断 CLSID           : {00000000-0000-0000-0000-000000000000}
    サポートされるワイヤレス ディスプレイ: はい (グラフィック ドライバー: はい、Wi-Fi ドライバー: はい)

PS C:\Users\taniy>

Wi-Fi標準と詳細

  • 802.11b

    • ラベル: Wi-Fi 1

    • 周波数帯: 2.4 GHz

    • 最大スピード: 11 Mbps

    • リリース年: 1999

  • 802.11a

    • ラベル: Wi-Fi 2

    • 周波数帯: 5 GHz

    • 最大スピード: 54 Mbps

    • リリース年: 1999

  • 802.11g

    • ラベル: Wi-Fi 3

    • 周波数帯: 2.4 GHz

    • 最大スピード: 54 Mbps

    • リリース年: 2003

  • 802.11n

    • ラベル: Wi-Fi 4

    • 周波数帯: 2.4/5 GHz

    • 最大スピード: 600 Mbps

    • リリース年: 2009

  • 802.11ac (Wi-Fi 5)

    • ラベル: Wi-Fi 5

    • 周波数帯: 5 GHz

    • 最大スピード: 3.46 Gbps

    • リリース年: 2013

  • 802.11ax (Wi-Fi 6)

    • ラベル: Wi-Fi 6

    • 周波数帯: 2.4/5/6 GHz

    • 最大スピード: 9.6 Gbps

    • リリース年: 2019

  • 802.11be (Wi-Fi 7)

    • ラベル: Wi-Fi 7

    • 周波数帯: 2.4/5/6 GHz

    • 最大スピード: 30+ Gbps

    • リリース年: TBD


無線LAN暗号化の規格と特徴

  • WEP (Wired Equivalent Privacy)

    • 特徴: WEPは最も初期の無線LAN暗号化規格で、1999年に導入されました。64ビットと128ビットの鍵長をサポートし、RC4ストリーム暗号を使用しています。しかし、セキュリティ上の脆弱性が多く、現代のネットワーク環境では安全性が低いため、ほとんど使用されていません。

  • WPA (Wi-Fi Protected Access)

    • 特徴: WPAは、WEPの脆弱性を克服するために2003年に導入されました。TKIP (Temporal Key Integrity Protocol)を使用し、より強力な暗号化と動的キー交換を提供します。WEPに比べて大幅にセキュリティが向上しましたが、依然としていくつかの脆弱性が残っています。

  • WPA2 (Wi-Fi Protected Access II)

    • 特徴: 2004年に導入されたWPA2は、AES (Advanced Encryption Standard)を使用した強力な暗号化を提供します。WPA2には、個人向けのPSK (Pre-Shared Key)モードと、企業向けのエンタープライズモードがあります。現在、WPA2は最も広く使用されている無線LAN暗号化規格です。

  • WPA3 (Wi-Fi Protected Access III)

    • 特徴: WPA3は2018年に導入され、WPA2の改良版です。より強力な暗号化と、オープンネットワークでの個人データ保護を強化するSAE (Simultaneous Authentication of Equals)プロトコルを使用します。さらに、ディスクリートキー交換とより強力な暗号化を提供し、無線LANセキュリティを向上させます。

  • TKIP (Temporal Key Integrity Protocol)

    • 特徴: TKIPは、WPAの一部として導入され、WEPのセキュリティを改善するために設計されました。動的に変更されるキーを使用し、パケットごとの暗号化を提供しますが、AESほど強力ではありません。

  • AES (Advanced Encryption Standard)

    • 特徴: AESは、WPA2およびWPA3で使用される強力な暗号化標準です。128ビット、192ビット、および256ビットの鍵長をサポートし、高いセキュリティレベルを提供します。AESは、政府機関や企業で広く使用されています。

  • CCMP (Counter Mode with Cipher Block Chaining Message Authentication Code Protocol)

    • 特徴: CCMPは、WPA2で導入された暗号化プロトコルで、AESをベースとしています。CCMPは、データの機密性、認証、整合性を提供し、高いセキュリティを実現します。これにより、無線LAN通信の安全性が大幅に向上しました。


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