「星を継ぐもの」ひとり読書会(ネタバレ注意)

去る3月2日、翻訳ミステリー名古屋読書会にて「星を継ぐもの」(ジェイムズ・P・ホーガン作)を課題本にした読書会があった。
出席予定が急遽体調不良で欠席し。
久しぶりにお会いできるのを楽しみにしていた人とも会えないのが残念だったけど、SFの名作を、名古屋読書会でどのように解剖(?)するのかを知ることができないのが無念だった。
通常のミステリならここまでやらないが、今回は自分が読んでどのように感じたか、ざっくりとここでひとり読書会をやってみようと思う。※完全に作品を読んだ人向け(というより自分の備忘録的なもの)のため、あらすじはつけてない。

・1977年作ということもあり、その時代の感覚で描かれた未来、という印象が強かった。作中に2028年という具体的な年が出てくるが、登場人物の働く環境は、1970年代が色濃く反映されている気がする。
・女性が少ない。コールドウェルの秘書、リンと初めの方に出てくるスウという航空会社のスタッフ、冶金学者など。どちらかというと補助的な役割が多い。
・ルナリアンにも三角関数というものがあった、という記述、最後まで読むとその意味がわかるのだけど、ここで思ったのは他の進化を遂げた人類であれば、地球人が知らない概念の関数や定期などがあるのではないかと思った。
・ルナリアンがどこから来たのか、さらにガニメアンという新たな人類が出現。この話ではルナリアン中心で進むが、彼らが地球人と関わりがあるのか、それを主人公ハントが終盤で仮説をコールドウェル達に伝えるところは、ミステリ的な要素もあった。
・その後のダンチェッカーの演説?は天地創造を想起させた。
・この話の舞台は、遠くない未来だけど、国と国の間の争いはない世の中になっている。後数年で同じ状況には到底ならないけれど、いつか実現されてほしいものだ。
ところで…
・グレイ(ハントの相方?)はどうなったんだろう。

これには続編がある。ルナリアンの謎からガニメアンの謎にいくのか、実際生きている彼らが登場するのか、機会ががあれば確認したい。


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