2015年4〜6月に聴いて良かったCD
1〜3月の聴いて良かったCDに続き、4〜6月に聴いて良かったものを挙げていきます。あくまで今年のもの、ということなので1〜3月に発売されたものもだいぶ入ってますがそこはご愛敬。
Awesome City Club「Awesome City Tracks」
待ちわびてた音源化はメジャーデビューだった。「2015年、最も今っぽい音とは何か?」という質問に対する一つの答えだと思う。プロデュースしているのがmabanuaであるという事実も含めて。
原田知世さんの楽曲はそのボーカルの声質も相まって常に上質感が漂っているんだけど、今回はジャズアレンジのカバーアルバムということでよりその雰囲気が強まっている。「恋愛小説」というタイトルだけどドロドロ感はない。笑
5曲入りのミニアルバム。ただその分とでもいうのか楽曲の構成やらメロディやらはかなり練り込まれてる印象で、今までの彼らの作品の中で一番好きかもしれない。実はまだ一度もライブ見たことないので見てみたさ出てきた。
ドラマーが抜けたことによってサウンドの軸がぼやけたみたいな評価をよく耳にするけどそうかな?と思ったりする。メロディも良いし変拍子による独特のグルーヴ感は相変わらずだし。ドラマーも元々サポートからの加入であり、彼女達の軸は大して変わってないんじゃないの?と感じるところ。
一言で表現なら「上質で秀逸なポップス・アルバム」。まず最初の「I ❤︎ NEW DAY」のイントロのドラムの音が際立って良い。ニューヨークで名うてのセッション・ドラマーに叩いてもらったものだからむべなるかなって感じなのだけど。そしてこういう作品にありがちな「なんかさらっと抜けてしまう感じ」がなく、それなりにフックが入ってるように思う。なんだけど、僕が特に好きなのはその中でも若干異質な「Trace」「プール」の2曲。しかし、なぜ全曲試聴動画非公開にしたん……
J・ディラ辺りのやってるようなジャズを切り刻んでループさせるみたいなことをやったりドラマーはマーク・コレンバーグばりの人力ドラムンベースを見せたりととにかく今のブラックミュージックのトレンドを積極的に吸収して自分の物にしている感じが良い。そしてこういうの今の自分にはドンピシャであった。
率直に言って傑作であることは間違いない。「Yellow Magus」辺りからのブラックミュージック系統の流れを一つのまとまった単位として提示した、という印象なので個人的には新規性は薄く感じているけど、聴いているととにかく自分の感覚の隙間から内側にしみこんでくるイメージだ。というか彼等の音楽は前からそういうものであり、「WORLD RECORD」を初めて聞いてから3年半、僕が思うceroの好きなところはそんなに変わっていないのだ。
楽曲的には完全に腑抜けていた「YOU MORE」、楽曲の強度は取り戻されたけどなんかしんどそうだった「変身」を経て、サポートメンバーを入れたことで随分落ち着いたチャットモンチー。今久しぶりに良い状態にあるのがわかる。この感じ、待ってましたよ……!
吉田ヨウヘイGroup「paradise lost, it begins」
吉田ヨウヘイGroupは楽器の数も多くて単純ではないことをやっているんだけど、今作はバンドとしての根本部分である歌とメロディがかなり落ち着いた印象を受けた。それで演奏面についても前より向上しているのが感じられる。りだむさんボーカル曲の方が好みなのでもうちょっと増えるとなお良し。
出てきたときは好奇の目で見られてた感じがあるけど、ライブで観ると抜群に楽しいです。CD音源も良い。しかし彼女達についてはライブを見るべき。いいから見ろ!!笑
とにかくメロディが良い。アレンジも好みではあるんだけど、とにかくメロディに説得力があるので何度も聴きたくなる。8曲という絶妙なボリュームも良い。最終曲「瞬き」は白眉。
めちゃくちゃ洗練されていてそれでいて今っぽい。と言うか思いっきり現在進行形最先端の音楽でしょう。洋楽の若手女性歌手とか聴く層に思いっきりリーチしそうな感じなんだけど、どういうわけかドンピシャで僕もハマってます。
ミスチルのアルバムを通しで聴いたのは10年ぶり。微妙な曲もあるんだけど良い曲はとことん良い。「未完」「FANTASY」「WALTZ」辺りが好きかな。やっぱミスチルは凄いし、いかに彼等の曲が自分に染みついているかを実感した。
洋楽の買ったアルバムは1枚。
久々のトリオアルバムということだったんだけど、意外にもスタジオでのライブアルバムだった。レディオヘッドやらケンドリック・ラマーのカバーあり、セルフカバーありで、まあ所謂「スタンダード」物ではないよってことなんだろう。とはいえビートの感じはやっぱり彼好みになっているので、エクスペリメントと並列とはいわないけど好みな感じではある。
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