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本屋で毎回パニックを起こす話

本屋が好き

本屋が好きです。
自宅が神戸のど真ん中ゆえに、いつでも県下最大の本屋に行けてしまう環境なのが災い幸いして、週末のたびに本屋に行ってしまいます。2年前、1回目の緊急事態宣言の時、飲食店からデパートから何から何まで閉まってしまいましたが、一番きつかったのが本屋でした。失って気づく、存在の大切さ。平日は19時までとかで仕事帰りに間に合わず、週末は完全に閉めてしまうのでマジでいけませんでした。あの時は辛かった・・・

本屋って、用事がなくても気がついたらお金が無くなってますよね。Twitterで弁護士のアカウントを見ていると、けっこう頻繁に「収穫物」として大量の本の写真を流している人がいますが、一食抜いてでも本につぎ込む人が多い人種です。
そして、本屋に行くと、毎回2段階のパニックを起こすんですが、これって私だけ?

1パニックめ

本屋って、行くたびに新しい本が増えていて毎回困ります。
一応、だいたい必要そうな分野には目星をつけて入店します。
が、私の場合、

「法律」「福祉」「医療」「文庫」のあいだを行ったり来たりして、

どこの棚に行っても自分の能力の足らざるを思い、

「あれもこれも読まなきゃ」と慌てるも、

家には積読がたまっていることを思い出し

でもなんかひとつくらいええやろ、と思い直して・・・

買えない

ここまででだいたい1時間くらい。おかしい。頭おかしい。その自覚はある。
だれか、この現象に名前を付けてくれ・・・

家でカウチポテトしてるくらいなら、大きい本屋に行って歩いている方が健康的なのでいいんですよ。そしてこれがまた楽しいので、始末に負えません。
本棚を回ると、全然知らんかった本と偶然の出会いを果たすのも書店のいいところです。ネットではなかなか得難い経験でしょう。そうすると、あれもこれも読みたいのに、時間が足りず、しかも最近は読んでいると寝てしまってますます消化できません。
そんなとき「口にCDつっこんだり、鼻にUSBつっこんだりしてインストールするみたいにならんかなー。」と思うこともあります。あるいは、枕の下に置いておいたら、一晩で頭に入っているとか。
でも、本を手に取り、ページをめくり、エモいところに適当に線を引いて付箋を貼る、そしてなぜか二度と見ないというあの感覚が楽しいので、中に入っている知識だけ吸収するのもなんかちがうんかもしれません。
仮に本屋が、クラウドのような場所の中だけにあって、自分で選択したら自動的に頭の中にDLされる・・・みたいなものになってしまったら、たぶん毎週通うことはないでしょう。あの絶妙のサイズ、重さ、そして紙とインクの香りがもたらす幸福感は何なんでしょうね。


2パニックめ

しかし、2回に1回は「買うぞ」という本に出会いますよね。で、手に取って買う・・・前に最近必ずやることが”kindleチェック”です。
①重くて持ち歩きが嫌になる本と、②文庫本については、できるだけkindleで買うようにしています。・・・ええ、ほぼすべてですね。こうなってくると、原則すべての本がkindleになり、例外的に「これは一生ものの本になりそうだから、汚して付箋貼って手元に置いておくんだ」と思う本についてはできるだけ紙媒体で買いたいと思っています。ただ、1パニックめをくぐりぬけて「よし、買うぞ」と思った本なんかだいたい「一生モノやろこれ」と思っているので、kindleで買うのが忍びなくなってきます。基本的に、紙をめくりたい人なので!

しかし、我が家には深刻な蔵書問題があります。

うふふ、見て、こんな本棚が、これの倍以上あるんですよ。何なら、前の家で靴箱に使っていた棚まで本棚になってるんですよ。

しかも見てこれ。

ここ、一般のお宅だったら洗剤とか洗剤とか洗剤とか、DIYの工具とか、ホットプレートとか、トイレットペーパーとか、結婚式の引き出物でもらったはいいけどそんなに使えへんでという食器類とか、そういうのを置いておく収納スペースなんですよ。建付けのやつ。なのに、天井から床まで判例時報・・・って、一般家庭にないでしょこんなの。
私の場合、通常の弁護士であれば事務所に置くはずの仕事用の書籍を仕事場に置けません。好き放題紙媒体で買いまくっていたら、家を本に乗っ取られてしまいます。というか、私の倍ほどの勢いで買いまくっては家に備蓄する同業の家人がおりましてですね。

こんな自宅を思い浮かべると、「できる限りkindleで読まねば!」と目が覚めるんだけど、でも、紙で読みたいし、じゃあこれは「一生モノの本なのか」と考え、密林のアプリと矯めつ眇めつして・・・

買えない(1時間)

もう、大パニックですよ。
すげぇ楽しんでるでしょ?
これだけ、kindleで読むべき条件がそろっているのにまだ紙が恋しいの、何なんでしょう。この感情にも誰か名前を付けてくれ。
私は、本がもたらす知識以上に、「本」という物体に対して愛着があるんでしょう。

なので、私の趣味は、読書ではなく、「本に囲まれること」なのかもしれません。

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