難病カフェシンポジウムーと言いつつすべての「居場所」「当事者会」系活動へー
連休の2日目は、こんなイベントに参加していました。
連休の前半のうち、今日だけ晴れるはずなので、窓の外から見える青空を若干恨めしく思いつつも、よく考えたら大嵐の日に難病イベントやっても、しんどくてつなぐのもつらいので、これはこれでベストコンディションだったということでしょう。
参加団体
今回のシンポジウムは、関西を中心とした既存の「難病カフェ」グループの代表者が集まり、それぞれのカフェの紹介をしながら情報交換をするというものでした。なんだかんだ言いながら、私は神戸のカフェしか参加したことがないので、それぞれの話が聞けて面白かったです。特に、「とくしま」と「神戸」が始まるきっかけになった「おおさか」の代表者を始めて拝見してちょっと感動でした。
以下、それぞれのFacebookページと一緒に簡単にご紹介です。
難病カフェおむすび:
主に関東で活動。代表は全身性エリテマトーデス、特発性大腿骨頭壊死症などの難病患者。現在の活動のメインはオンライン。
難病カフェおおさか:
主に大阪で活動。代表はベッカー型筋ジストロフィー。コロナが始まってオンラインもこころみたものの、最近は活動がなかなか難しかった模様。そろそろ活動再開したいなぁ、とのこと。この「おおさか」の活動と、代表者ショウゴさん(@gorian91)のTwitterをきっかけにして、「とくしま」と「神戸」が立ち上がった模様。そういう意味では、関西の難病カフェの草分け的存在。
難病カフェとくしま:
主に徳島で活動。代表は全身性エリテマトーデス等。徳島で2019年にカフェ開始。コロナ禍でオンライン化したのち、最近は難病カフェ神戸と共同開催(オンライン)。
難病カフェ神戸:
主に神戸で活動。代表は筋ジストロフィー。難病カフェおおさかを見たけど「遠いなぁ」と思って神戸で開始。実店舗を座席だけ予約して占拠するスタイルだったが、コロナ禍でオンライン化。
というわけで、
①難病当事者が主催をしている
②「カフェ」なので飲み物とお菓子必須
③コロナ禍でオンライン化
というのが共通点ながら、あとはそれぞれカラーが違っておもしろいです。そろそろ、どこもオンラインに飽きて(⁉)オフラインに出てくるかどうか、という時期っぽいですが、オンラインの場合はどこのカフェでも関係なくどこからでも参加できるので、情報チェックしてみましょう。
難病カフェのオンライン/オフライン
コロナ禍の影響もあり、ここ数年の難病カフェは、どこもオンライン化が進んでいます。そうしないと、前提として基礎疾患がある私たちは、安瀬インして集まれないためです。これは、難病に限らず、さまざまな「サロン」「カフェ」「居場所」系事業(がん/認知症/ひきこもり/発達障害/精神障害等々)に共通して言えることですね。ただ、認知症やひきこもりの居場所系事業のオンライン化よりも、病気系のオンライン化の方が早かったように思われます。やっぱり、「感染したら死ぬかも」という危機感のため、そしてもともとリアルに集まることが体調的に難しく、SNSの普及によって組織化が進んできた難病患者にとって、「オンラインで顔を合わせる」ということが、技術的にも心理的にもあっていたのだと思います。だって、その日に外出するためのスケジュールと体調を調整する必要なく、自宅で寝たまま参加できる、という点は非常に大きいですね。こうした点から、コロナ禍が終息しても、オンラインカフェは何らかの形で残り続けるのではないかと思います。
でも、他方でオンラインの課題も指摘されていました。何よりもまず、zoomでは会話の間合いが全然測れず、とにかく雑談しづらいという一般的な悩みに加え、地方だとzoomに安定して接続する通信環境がなかったり、家族がいると気をつかってゆっくり参加できない、といった声がありました。オンラインと親和性の強い私たち難病患者ですが、オンラインだけで集まっていると、こぼれていってしまう人もいるようだ、ということがわかります。
ともあれ、3年目を迎えるコロナ禍ですが、一般的にはそろそろ対面でイベントやってもよくね?という空気になってきています。今、3年ぶりの、なんの制約もないGWを迎えて浮かれてしまっているので、余計そう思います。でも、私たちの場合、何回ワクチンを打っても死にそうな気持ちは変わらないので、対面を再開するのは、あらゆる社会活動の中で一番最後になるんじゃないかなぁ、と、個人的には思います。
難病カフェの運営とこれから
難病カフェは、「レンタルスペースを借りる」「営業しているカフェを集団で予約する」といった方法でただ茶話会をしている限りであれば、参加者から参加費をいただいて集まるだけなのでそれほど資金が必要というわけではありません。ただ、そこから一歩踏み出して活動をしようとするとどうしても資金が必要になります。資金源としてまず思い浮かぶのが行政からの補助金等であり、それをしようとすると任意団体ではちょっと、となります。
法人格があるのがベストですが、なかったとしても、「○〇町の山田さん」みたいな状態で申請しても、「あんた、だれやねん」状態です。そうすると、ある程度の手間とコストをかけて、団体として見せる形にしないといかんですよね。
ところが! 今回の参加カフェ一覧を見てもわかるように、難病カフェってなぜか運営が当事者のみでなされていることが大半です。他のカフェ/サロン/居場所系事業は、自治体だったり福祉系の健康な専門職が事務局を担ってくれるのが原則なのに、なぜ難病だけ「当事者による、当事者のための」難病カフェになってしまうんだ!!
その方が、当事者のニーズに沿った場所づくりになるのは確実ですが、何せ体力のない人々なので、持続可能性がないのです。なぜ難病カフェだけキレイに事務局負担まで当事者が100%負うことになってしまっているのか、これはそろそろ「不思議だねー( *´艸`)」と笑っている場合ではなく、きちんと「課題」として認識した方がいいんじゃないかと思ったのでした。
そんなオトナな話も交えながら、楽しいひと時を過ごさせていただきました。
NPO法人京都難病支援パッショーネ様、ありがとうございました。
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