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退職のごあいさつ

かねてより、小出しにお知らせしているところではありますが、私は、本日(2023年3月31日)をもって明石市役所を退職します。明日投稿すると、「え、エイプリルフール?」などといった無用のノイズが入るためw、今日書きました。

2015年1月5日に入庁してから、約8年3か月勤めました。これまでで一番長い経歴が「司法試験受験生」の7年、その次が「小学生」の6年ですので、それを上回る期間、お世話になっていたことになります。おもえば、「お前に公務員は絶対に無理だ」と言われながら始まった公務員生活でしたが、この年数勤めたので、向いていた・・・かどうかはともかく、「絶対に無理」は言いすぎだろう、ってツッコんでもいいですか?
巷間、特にTwitterでは、「会社員か公務員にでもなったらいいよ」とスラング化しています。それに影響されてというわけでもありませんが、「ホンマになったやつがおるで」といったところでしょうか。

公務員になって驚いたことは、入庁までの弁護士の仕事の中でも、平均よりはかなり生活困窮者の相談を聞いてきた自負はあったのですが、そんなものを粉砕する勢いで司法救済の必要そうな困窮者が存在する、ということでした。最初の数年間は片っ端からどうにかしようとがんばってしまっていましたが、次第に「こりゃ、らちが明かない」ということに気づきました。いつしか、職員に対して「一番法的リスクの少ない支援方法」を回答するようになっていました。こういう法律相談のクセがついてしまった今、在野に戻ってちゃんと事件化できるのかなぁという、妙な不安があります。
不安と言えば、後半戦とくにひきこもり支援を担うようになってからは、あきらかに弁護士の専門性と離れた仕事をしていたため、実務感覚と法律知識が戻ってくるのかがもっと心配です。。

公務員、特に基礎自治体に任用されると、行く部署行く部署で見るものすべてが「へぇ~、こうなっているのか~」の連続でした。好奇心の強い方なら、あまり飽きることはないと思います。あんまり、総務・法務などの管理部門から離れて弁護士を異動させてくれる自治体はないと思いますが、それでも、各部署から寄せられる相談を聞いていると、世の中のライフラインがどうやって回っているのかを知る機会になります。この点は、弁護士をやっているだけでは体験できないことだったので、非常に面白かったです。

2021年6月に、「相談支援の処「法」箋」を刊行して以降、大きな好意的評価をいただきました。そして、遠いところからも本書を活用した研修のご依頼もたくさんいただきました。市役所勤務とはいえどこの部署にいるのかもよくわからない私に、1本目の電話をかけることはとても勇気が必要だったと思います。・・・電話を受けた職員は毎回、「なんか○○県の社会福祉協議会からお電話ですけど!? どういうご関係で? なんか間違いじゃないの?」と、めちゃくちゃ怪訝な顔で電話をつないでくれていましたょ。
ただ、公務員の身分で、それらのお申し出にすべてお応えすることが難しく、お断りさせていただいたこともありました。次第に、「これに全部応えることが私の仕事にならないか」と考えるようになりました。折しも重層的支援体制整備事業に全国の市町村が四苦八苦する今、なんでも相談聞いていたら必ず入ってくる法律的な課題にどう応えるかは、普遍的な悩みだと思います。それに、今流行の「終活」だって、法的課題の宝庫ですから。だれですか、遺産分割紛争を取扱ったこともないのに遺言書書くとか言ってるの。という、非弁一歩手前(いや、踏み越えてない?)の終活サービス業者を多く見るにつけ、「人生の後半戦を安心して過ごすために」をテーマに、なんかやってみたいです。
とかなんとか、せっかく得た自由なので、いろいろやってみたいです。
noteも、いままで無料記事しか書けなかったけど、有料記事とかできそうやね。。専門的なやつは有料にしたろかな~。

明石市からいただいた経験を、求められるすべての人に届けることがこれからの目標です。

もちろん、私の死なない範囲で。

これからも、どうぞよろしくお願い申し上げます。

★移籍先★
〒673-0892
兵庫県明石市本町1-1-24大日明石本町ビル5階502
明石さざんか法律事務所

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