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パロディとしての 李子柒

ユーチューブで1600万人のフォロワーをもつ中国のインフルエンサーに李子柒(リズーチー)という女性がいる。実は昨年の7月で新しい映像の投稿は止まってしまった。細かい事情ははぶくが、 彼女が所属していた事務所と契約についてもめて、裁判になってしまったからだ。
私も彼女の映像作品のファンのひとりだったので、新しい映像がみられないのはざんねんだと思う反面、契約でしばられて十分なみかえりをもらえていなかったらしい 李子柒の境遇にも同情する。彼女が権利を主張するのは理解できるし、裁判でいい結果がえられることをのぞんでいる。


李子柒の映像が世界中のフォロワーをひきつけたのは、中国の農村の桃源郷のような暮らしが描かれていたからだ。野菜やくだものをそだて、山できのこをとり、季節の花や鳥とともに暮らす。それがあまりにうつくしく、豊かにたのしげに描かれる。

それにたいして中国の農村を美化しすぎているという批判もある。農民はほんとうはあんなに豊かじゃない、というのだ。その意見もまちがってはいないだろう。撮影のために架空の理想の世界をつくりあげているとも思える。
私ははじめてみたとき、サントリーの烏龍茶のCMの世界観だと感じたのだが、中国のパブリシティとしてはよくできている。

私が李子柒をはじめてみたのがこの映像だった。サントリーのコマーシャルだと思った気持ちが理解していただけるのではないか。

閑話休題。
李子柒とはまったく逆をいく中国の農村のリアルをみせてくれる映像にであった。これはこれですごくおもしろい。部屋も家具も水道も食器も、たぶんこちらがほんものの農村なのだろう。
つくった方が 李子柒を意識しているかどうかはわからないが、私にはユーモラスなパロディにみえる。


なお李子柒は四川省綿陽市を撮影の拠点にしているが、パロディの方は河南省のようだ。日本でいえば北海道と九州くらいの距離はある。

パロディの作者は去年12月ごろからユーチューブに投稿をはじめたらしいのでまだ3か月。フォロワーも少ないし再生数もいいねの数もないようなものなのだが、おもしろいんだよね。いずれブレークするような気がする。
しかし袋麺でこんな横着なつくりかたは初めてみたよw

その後の調べでこのパロディ作者はユーチューブでは新人だが、中国の動画サイト(西瓜視頻)では賞もとったことのある手練れだとわかった。どおりでつくりかたがうまいはずだ。
いずれブレークでなく、現時点で中国ではブレークしてる方でした。

付記。 この子のハンドルが「村の太めの女の子」という意味なんですが、たしかにきれいなんだけど太るタイプだよなあ、と思っていたら、最近の動画をみるとその危惧が現実になっています。かなりぽっちゃりしてきた。


河南省の方がヨウツベのアカを停止されたようなので、とりあえず、中国の西瓜のほうの動画を一つ、あげておきます。

2023年1月21日付記。
22年12月末に李子柒と事務所とのあいだで和解が成立したということです。これで遠くない時期にまた彼女の新しい映像がみられるのではないでしょうか。とてもたのしみです。


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