見出し画像

南関素麺を食す

昨年、ふるさと納税で南関素麺をたのんだ。片山製麺所というところの品で、紹介の写真におばあちゃんが一人で素麺をつくっておられるのがえらんだ決め手だった。ほかにも5つ6つの製麺所があったが、ここにした。

素麺のサイトで南関が日本の素麺界の横綱である、みたいな話が書いてあったので、気になっていたのだ。

到着してさっそくいただいたが、初めての食感だった。素麺に腰がある。さぬきうどんならわかるが、あの細い素麺にしっかりした歯ごたえがあるのだ。たいへんに気に入った。

ことしもふるさと納税でたのんだ。こんかいはS製麺所という白髪素麺もつくっているところにした。白髪素麺というのは素麺の太さが髪の毛ほどしかないという極細麺で、つくるにはかなりの技術が必要だと思われる。そういう製品をだすということは手練れの職人がいるにちがいない。それがえらんだ理由だった。

届いてからさっそく食す。熱湯で1分ほどゆでて、冷水にさらしてからいただく。一口食べて、あれ、と思った。麺のなかに固いままの芯をもつのがのこっている。1分ゆでるというのは説明書にも書いてあるので短いわけではないが、次は1分半ほど時間をのばしてみた。しかしいくらかの固さはあるのだ。片山製麺のときにはこんなことはなかった。

白髪素麺はまだ食べていないので、いまの時点での判断だが、片山製麺の品にくらべるとS製麺は落ちる。ネットなどでみると商売的には後者はかなり大きくやっていて、おばあちゃんのところよりは有名なようだが、職人の腕はおとるのではないか、と思ったりする。

ゆで方は変えていない。揖保乃糸などはストレートの棒状麺だが、南関素麺は写真でもわかるように8の字の曲線状にまとめられて、ちょうど真ん中あたりを紙のこよりでとめてある。こよりをはずし、両手で左右をもって中央で折る。そのまま沸騰する鍋にいれる。ゆで方はおなじだが、こんかい頼んだものはなぜか固めの芯がのこるのだ。

また新しい素麺をたのんだ。坂口製麺所の葛入り南関素麺だ。葛入りというのがポイントだ。他のにはない売りだった。これはしかし茹で時間が3分と書いてある。えらい違うな。
いままでの南関素麺が1分から1分半。揖保乃糸でも、1分30~45秒。3分茹でる素麺は初めてだ。
食べてみた。口当たりが明らかにちがう。ほかの素麺よりも滑る感じだ。ツルツル感というのか、すべすべ感というのか、プルプル感というのか、これが葛の効果なんだろうな。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?