高田渡はジョン・レンボーンのキャンディマンをパクッていた?

ジョン・レンボーンのレコードを聴いていて、ある曲に耳が止まった。あれ、なんで高田渡の曲が入っているのだろう、と思ったのだ。

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B面2曲目にある「Candy Man」という作品だ。

トラディショナルをレンボーンがアレンジした、とあるから、もとはイギリスのどこかにある古い歌だったのだろう。このレコードの録音は1965年だ。

私がそっくりだと感じたのは、「系図」という高田のLPに入っている「長屋の路地に」といううただ。こちらは1972年の制作で、クレジットは作詞・木山捷平、作曲・高田渡とある。

じつはこの「長屋」の歌詞も長屋に飴を売りに来る飴屋の話だ。まさにキャンディマンなのだ。ただし木山(1904~1968)の詩はたぶんもっと昔に書かれていたものだろう。それを高田がどこかで読んで、この曲に採用したので、書下ろしとかではないと思う。高田は山之口獏の詩を好んでいて、しばしば詩集からひろって曲をつけているが、木山の詩もそうだったのではないか。

作曲・高田渡としたいきさつはわからない。しかしメロディラインはほぼ同じだ。そして時系列ではレンボーンの曲が先になる。

ヨウツベにレンボーンが京都ライブでうたったものがあった。「長屋の路地に」と聴き比べていただきたい。


ジョン・レンボーンは1960年代から活躍していたブリティッシュ・トラッドの第一人者だ。ペンタングルというグループをバート・ヤンシュなどとともにつくり、一時代を築いた。ギタリストとしても後に続くミュージシャンに大きな影響をあたえたといわれている。

こちらが高田の「長屋の路地に」だ。


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