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#25親友と産後ホルモン

誰にも話していないことをここに書きたくなった。私の記事なんて誰も見ていないだろう。そう思うと心が軽くなって書きたくなる。

私にも親友と呼べる人物がいた。

中学校、高校、大学、社会人と多くの時間を通して一緒に成長してきた。進む道は違っても音信不通になることはなかった。

私も親友と思っていたし、彼女にもそう呼ばれていた。

彼女は社会人になって職場の職員と不倫をして、長かった。

話を聞いていて「自分が奥さんだったら嫌だな」と思っていたけれど、その恋愛に対して否定はしなかった。

ほどなくしてその職員が離婚をした。と報告を受けた。

何か月もしないうちに、彼女は妊娠した。

妊娠したから結婚すると連絡がきたとき、私も夫の結婚を決めたのでおめでたい話が重なった。

彼女は夫となった人と一緒に暮らし、私も結婚に向けて準備を進めた。

時は経ち、彼女は無事臨月を迎え、私は結婚し、新しい生活を迎えて、出産前に一度会った。

すいかみたいに大きなおなかを抱えた彼女に大好物のスイカをプレセントした。彼女は笑ってくれた。

無事出産を終えて、連絡がきた。よかった。シンプルにそう思った。その時私は結婚式の準備や不妊治療で時間が全くなかった。申し訳ないけど、落ち着いたら会いに行きたかった。その旨も伝えた。

来たる結婚式の友人スピーチを彼女に頼んだ。答えは
「授乳で結婚式を欠席するかもしれないから他の人に頼んで欲しい」だった。

中学から【お互いの結婚式はスピーチし合おうね!!】の約束を覚えていたのは私だけだったんだろうか。随分落ち込んだ。しかし、理由が理由だから、他の子に頼んだ。

当日彼女は出席してくれた。
心の中の石ころは無くならないけど、出席してくれて有難かった。

結婚式が終わり、退職することに決めて、退職日まで死に物狂いで仕事をして、やっとこさ社畜から脱出して、翌月初めて妊娠検査薬が陽性になった。

空を飛べるほど嬉しかった。努力が報われた。嬉しくて嬉しくて、自分が流産するなんて考えても居なくてSNSに上げた。

程なくして彼女から連絡が来た。

「あなたって私の子供に会いにも来てくれなくて、私はずっと待ってるのに。最低。SNSのフォロー全て外したから。妊娠したんだってねおめでとう。じゃあねサヨナラ」
だった。

頭の中が真っ白になった。涙も出なかった。
え? しばらく考えたけど、やっぱり分からなくて、夫に相談した。

そしたら、「今1番大事な時なのに君にこんな精神的ダメージを与える彼女が僕は理解できないし、嫌いだ。これで君が精神的ダメージを受けて流産でもしたら、僕は彼女を許さない」とまで言った。

3日間返信を考えた。
3日後、今までの私の治療内容、仕事内容、現状、会いたくても会いに行けなかった現実を謝罪した。
彼女からの返信は来ることは無かった。

半月後、私は流産した。

寒い日が続いたからお腹を冷やしたかもしれない。寝不足が続いたかもしれない。
私がどうにかしてたらお腹の子は亡くならなかったのかもしれない。そんなことをたくさん考えて、たくさん泣いた。
塞ぎ込んで、人と会えなくなって、家から出るのが嫌になった。

夫が言う「彼女のメッセージで精神的ダメージを受けた」とは思わない。
自分が母になってみて分かることもたくさんあった。産後ホルモンとは恐ろしかった。でも自分は周りの人に彼女のようなメッセージは送らなかった。

「会いに行きたい!」と言う人はだいたい会いにこない。それが忙しいんだろうなと思ってもやっぱり寂しい。

当時の私はその気持ちを彼女に感じさせてしまっていたんだろうな。

でも彼女からも「いつ会える?」の連絡は一切なく、あのメッセージだった。

私たち、親友だったんだよね?

彼女の子供は4歳になった。
1度も会ったことはないし、連絡ももう繋がらない。

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