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#125 体外受精 『患者を生きる』

2022.5.19

2019年、4年間の不妊治療の末、体外受精で第1子を緊急カイザー。2度の流産を経験しています、しーさんです。


「いつか時間ができたら書こう」と思ったことがある。

吐きつわり真っ只中、休職中、食べられるものがなく、唯一頭の中に浮かんだものなら食べられるという時期があった。

無性に実母の作った春雨サラダが食べたくなった。

LINEしたら、来れるなら作って待っているよと言われたので、直前で行けなくなっても彼女なら【しかたないね】と許してくれるし(末っ子なので甘やかされているという自覚はある)と心の余裕をもって実家に向かった。

実際、実家までは車で40分程度。健康の体なら別に苦にならない運転時間だが、その時は違った。

地獄だった。何度も帰ろう、引き返そうと思ってオェオェ言いながら「地獄だ・・・」とつぶやきながら運転して、瀕死の状態で実家についた。

春雨サラダのために(笑)

到着して、高齢の両親に【顔が真っ青だ】と言われながら、何口か春雨サラダを食べた。何時間後かに嘔吐してなかったものになっちゃったけど、久しぶりに食べた彼女の春雨サラダは想像と同じ味だったので安心した。


ダラダラと過ごし、くだらない世間話をしている時、ふと彼女が差しだしてきたものがある。

【これ、あなたが今回の移植ダメだったら、読ませて、ここの先生のところに連れて行こうと思っていたの】と。

新聞の切り抜き、6枚分。

・『患者を生きる』 不育症 海を越えて ①~⑤

・『不妊治療と仕事の両立 企業も支援を』

2021年の朝日新聞の切り抜きだった。

①~⑤の内容は、初期流産を繰り返し、不育症と判定がつき、治療方針がきまり、無事赤ちゃんを授かることができた夫婦の内容が書かれていた。


書かれていた内容はすべて、私の知っている内容だった。検査項目、投薬の内容、投薬のタイミング、有名な横浜の病院。「全部知ってる。理解できる。調べ尽くしている」そういうと、彼女は【そう】とだけ言った。と同時に【それだけつらい思いしてきたもんね】とも。


今現在新生児の14人に1人が体外受精で生まれている。(2019年現在)

私の住む県は、一番大きい総合病院が体外受精を休診中だそうだ。問題は培養士の不足。1年後の移植のめども立ってはいないらしい。

秋田県は不妊治療と仕事の両立支援してくれるNPO法人があるそうだ。私の県にもあったらなー。。。(あるのかもしれないけど、調べてはいない)


体外受精診療が保険適用になってもうすぐ2か月。それまで治療費の面で体外受精をやりたくてもできなかった人は大勢いると思う。その垣根を今回の保険適用は低くしてくれたと思う。実際保険適用になったので、治療を開始してみようかなと思うカップルは一定数いるのではないかと推測している。

では中身は? 保険適用になるためには1移植のうち1回以上夫の受診を課しているという。事実婚は対象外。同性婚も対象外。保険適用になる薬は決まっていて、今まで使っていた薬は自費になるなんてことも多々。その薬だから今までうまくことが運んでいたのに?

凍結胚がある場合は新たな採卵は保険対象外。

※※(聞いた話なので曖昧なことが含まれています)※※

結局、自分に合った治療を優先して自費分が嵩む。自費分を補填してくれる助成金はもうない。

今まで不妊治療していた人と、新しく始める人。

みんなに優しい政策になってほしい。

赤ちゃんを望むすべての人に、赤ちゃんが来てくれますように



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