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2023年 海外遠征振り返り② 

 こんにちは、パラテコンドーの田中光哉です。

 今回も前回に引き続き今年参加した海外遠征を振り返ります。記録としてnoteに書き残しておくことで、数年後にでも読み返したときに「あんなことあったな~」って懐かしめるような良い思い出になってると期待して書きます!
 
 雑談ですが、最近何かと取材をしていただく機会があるときに、わざわざ拙い私の以前書いたnoteを読んで情報を集めて下さる記者さんもいらっしゃって、そんな時に拙いながらも書き残しておいてよかったな~と思うことが増えてきました。

2023年海外遠征の振り返り(後半)となります!


【9月】
Veracruz 2023 World Parataekwondo Grand-Prix (メキシコ・ベラクルス):G6
初戦 対スペイン 敗退

Veracruz 2023 World Parataekwondo Championship(メキシコベラクルス) :G14
初戦 対ブラジル 勝利
二回戦 対メキシコ 勝利
準々決勝 対モロッコ 敗退

会場のベラクルス世界貿易センター

 メキシコ・ベラクルスで行われたグランプリと世界選手権に参加しました。(※グランプリは世界ランク上位12人が招集される大会で、シリーズとして年4回開催。うち4回目はGrandprix Finalとして上位8名のみでG10に設定されます。)
 グランプリ大会では、世界ランク僅差で争うスペイン選手と対戦。世界選手権直前のため、上位ランカーがグランプリ大会出場を避けていたこともあり、ここで勝って「今大会こそ表彰台を」と意気込むものの、結果は空回りして動きも固く、攻撃のアイディアに欠けたり、もったいない反則による失点等もあり敗戦。表彰台にも立てませんでしたが、数日後に世界選手権も控えていたので、試合勘の面ではポジティブに捉えていました。

 2日後、同じ会場で開催の世界選手権はG14。ポイントレースの面ではどうしても落とせない大会でしたが、ベスト32とベスト16は勝利、最低限求めていたポイント獲得には至りました。内容も数日前のグランプリ大会の反省を生かし、蹴りのバリエーションも混ぜて考えながら勝つことができたことは、最近の不調が続いた自分にとって少し良い変化だったように思います。
 2019年以来の4年ぶりの世界選手権は想像以上に楽しかったです。やはり
他大会とは異なる規模感や世界中の選手たちの掛ける意気込みをひりひり感じながら、挑むことができました。また素晴らしい舞台を経験して現役を退くまでにこの舞台で表彰台に立つという目標も改めて生まれました。
 次の世界選手権は2025年!表彰台目指します!


伊藤力氏撮影 ※転用禁止
試合後のモロッコ選手との一枚

 雑談ですが、グランプリ大会では試合当日に運営側の電子防具の不具合がわかり、急遽遠く離れたメキシコシティから、代替の防具を調達することに。それらをヘリコプターを急遽手配して調達するあたり「メキシコ」を感じたり、試合開始時刻も朝9時予定が朝10時頃過ぎたころに夕方16時開始に変更に。笑
 ホテルも計量日の深夜に停電・断水。そこから半日以上続くことになり、シャワーもトイレも使えず「メキシコ」を感じることができました。でも楽しかったです。



【10月】
Taiyuan 2023 World Parataekwondo Grand-Prix (中国・太原) :G6
初戦 対ウズベキスタン 勝利
準決勝 対トルコ 敗退 3位


会場の様子

 パリ・ベラクルスに続くGPシリーズの3戦目は中国でした。世界選手権直後ということもあり、出場辞退する選手も多い中、初戦は去年からGPで表彰台にも多くたっているウズベキスタンの選手でした。いまだに勝利したこともない相手でした。ビハインドが続く展開でしたが、徐々に点数の取り所を掴んできて何とかサドンデス。運よく延長戦を制して勝利できました。
 感情を出さないほうですが思わず小さくガッツポーズが出ちゃうほどだったのですが、その試合と次の準決勝も含め、なぜか自分だけ試合直前にYoutube配信が止まってしまい、日本から応援するみんなに勝利を届けられないだけでなく、出場すら疑われる結果となりました。笑 
 昨年から数えてGPシリーズ出場7回目で初めてのメダル獲得できた大会となりました。また2月のトルコでの大会以降表彰台から離れており、後半戦巻き返す上で自信を少し取り戻すきっかけになりました。


2月のトルコ大会以来の表彰台

Hangzhou Asian Para Games (中国・杭州) :G4
初戦 対アフガニスタン 勝利 
準決勝 対カザフスタン 勝利
決勝 対台湾 敗退 準優勝

 アジアパラ競技大会として初採用のテコンドー。その初日のトップバッターでした。アフガニスタン、カザフスタン戦は共にビハインドの展開から徐々に逆転しながら勝利。多くの観客の見守る決勝戦では、試合内容結果には満足いきませんでしたが、それでも競技人生での最も大きな舞台でした。あまり緊張することなく頭を使いながら楽しむことができたのは、良い意味で”老い”を感じました。笑 落ち着いちゃったなと。

表彰台 伊藤力氏撮影 ※転用禁止

 総合大会のため、日本で他の競技選手との結団式に参加したり、巨大な選手村で過ごす時間は貴重でした。
 大会のハイライトは日本選手団チームのサポートをしてくださった「Ajinomoto」でした。宿泊する日本棟のロビーにはいつも携帯できるアミノバイタル等のプロテイン支給のほか、味噌汁やスープの支給なども行ってくださり、選手村のフードコートでその「具たっぷり味噌汁」の具の種類を変えながら毎食食べるのが遠征中の楽しみでした!笑 「ほうれん草」+「なす」の2袋同時MIX贅沢食いが個人的にはベスト。是非ご自身のベストを探してみてください。


結団式でのテコンドーチーム


「具たっぷり味噌汁 ほうれんそう&なす」


【11月】
WT Presidents Cup Asia Region (ヨルダン・アンマン) :G2
初戦 対モロッコ 勝利
決勝戦 対台湾 敗退 準優勝

 ヨルダンで行われたこの大会は所属するハマハウスのメンバーとともに参加。シードで迎えた準決勝は世界選手権のメダルマッチで敗れ、銅メダルを獲得したモロッコの選手。想定とは異なる乱打戦に持ち込んでしまったものの何とか勝利。世界選手権の借りを返すことができて良かったです。決勝の台湾はこれで今年5回目の対決。またもや敗退して嫌気がしつつも、来年も避けては通れない相手なので、こっちだって勝つまでとことんやります。


表彰台
チームの集合写真

 隣国のイスラエルとパレスチナ問題で、ヨルダンへの渡航も心配が多く、日程の都合でまさかのヨルダン一人旅でした。そんな中インスタグラムでヨルダン行きを知ってくれたオーストラリア留学時代のクウェート人の友人が現地まで急遽飛行機で応援に駆けつけてくれたりして、観光や食事に連れ出してくれたりと、終わってみたら良い旅でした。アラブ圏内の渡航は想像以上にラフな感じとのことで昨年もサウジアラビアでの試合にも駆けつけてくれるほどで、そんなマイメンに感謝でした!

アンマンにあるローマ帝国時代の劇場


【12月】
Manchester 2023 World Parataekwondo Grand-Prix Final(イギリス・マンチェスター):G10
初戦 対フランス 敗退

 今年最後の大会はGPファイナルでした。G10と規模も大きい大会。世界ランクベスト8位以上が出場する今大会は、初戦でフランスの選手に試合残り5秒でターン蹴りという最高得点の技を決められ同点、その後延長戦で敗退しました。残り5秒での判断ミスや詰めの甘さが出た内容でした。
 対戦したフランスの選手は40代半ばですが、続く準決勝でも世界ランク3位の10代の選手を破る活躍でした。東京パラでも活躍していた彼の姿は「まだまだ自分も成長できるはず」と大きな刺激となります。帰国後もメリークリスマスとと添えたメッセージで連絡をくれて、人としても学ぶことが多い選手です。競技をやっててよかったと思う瞬間はこういう時にもあります。

インターバル中の様子

 イギリスの街はマイナス3度程まで冷え込んでいて、日の入りも15時台でしたが、それでも12月ということで街はクリスマス一色。華やかなヨーロッパのクリスマスを少しだけ体験しました。今年予定した全ての大会スケジュールを終え、あっという間に過ぎた怒涛の1年の終わりを感じる瞬間でした。


マンチェスターの街並み

 こうして今年1年を振り返ると、たくさん遠征して多くの大会に出場することができました。これらの活動は、自分自身がより強くなるため、良い結果を求めるために行っていることですが、この過程には多くの応援者・支援者の方のおかげでやり切ることができたことを特に実感する1年でした。

 今年の競技結果を受けて来年1月に発表される世界ランクによって進む道が決まります。
 ですが!まずはここまでやり切れたこと、そしてその過程で多くの出会いや気付きや経験できたことで人生が豊かになっていること、がいつでも自分にとっては1番大切です。
 今年1年も支えて下さった皆様に感謝します。ありがとうございました。


所属する「テコンドークラブHamaHouse」

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