ターケル先生の激インタビュー

私をインタビューの世界に連れて行ってくれた!
というより、そっちの世界へ突き飛ばされたというべきか!?
1983年5月日本語版刊行
スタッズ・ターケル著『仕事!WORKING』

スタッズ・ターケル「仕事」

なんと37年前なんですね。
みなさんはまだ生まれていなかったかもしれません。
そんなはるか昔に、私は新宿紀伊国屋書店の2階で
このとんでもない一冊に出会ってしまいました。

1982年ころから、私は「取材・文」と記名される
インタビューの仕事をボツボツ始めていましたが
広告が新時代を迎えていて、本業のコピーライティングが
面白くて仕方がなかった時期です。
今ひとつ、インタビューに体重をかけていなかった。


そんな私の前に現れたキング

厚さ4~5センチ、つやつやコーティングで光っている
片手で持つと手首を痛めそうだった。
新聞配達、消防士、売春婦から政府広報担当官など
115の職業をインタビューし尽くしたと書いてある。
中を覗いておどろきましたよ。
取材された仕事人たちの希望や苦しさ、誇り、営み。
なまなましい言葉が遠慮なく溢れているんです。
ピュリッツァー賞を獲得したジャーナリストが
渾身のエネルギーを注いだインタビュー。

しびれまくりました。

「買う!」とすぐに決めたのですが、手持ちがない。
紀伊国屋の階段を駆け下りて、銀行へ走り
なけなしの5000円卸したのは覚えています。
正確な価格は忘れた笑
その晩は、夜が明けるまで読みふけりました。
そして私は、インタビューをずっとやると決めました。

欲張りだけど広告もずっと続ける、面白いから辞めない。

ある人の言葉を受け取って、さらに人に伝える。
その2つの役割を追いかけてみたかったのかな。

この本はすでに絶版で、中古品はいま15,000円以上かも。
図書館にはきっと、キング然として並んでいると思います。
インタビュー、そして文章の変わらないパワー。
ちょっと惚れてしまいます。

会いに行ってみてね。


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