見出し画像

ニューヨークは終わらない|今日のNYC|SUN|2020.08.30

写真はニューヨーク・マンハッタンのイーストビレッジの事務用品店、ステイプルズ。数日前に暴動が起き、店先は板で防御しているが、開店中のサインを貼っている店員(2020.06.03 12:39pm)

(執筆|ニューヨーク情報共有グループ(フェイスブック)|2020.08.30)
(ニューヨーク情報共有グループ)
https://www.facebook.com/groups/nyjk2020
【背景】
コロナ禍で情報を共有できるグループを作りました。ニューヨークは終わった、いや、まだ終わってないという議論について書きました。

【記事】

8/30 11:32am Sun 今日のNYC
みなさん、おはようございます。日曜日、少し意見を書かせていただきました。
「NYC IS DEAD FOREVER. HERE'S WHY」(*1)
「So You Think New York Is ‘Dead’ (It’s not.)」(*2)
と二つの意見があります。

上はニューヨークのコメディクラブのオーナーで、ヘッジファンドマネジャー、作家としても20冊以上のビジネス関連本を出版しているジェームス・アルタチャーが出稿したLinkedInのOP-ED(*3)のタイトル。そして下は、ニューヨークを舞台にしたシットコム、「Seinfeld(となりのサインフェルド)」の製作者であり主演俳優のジェリー・サインフェルドがニューヨークタイムズに出稿したOP-EDのタイトルです。アルタチャーがオーナーのコメディクラブ「Standup NY」にサインフェルドが出演したという関係性があります。

印象として、アルタチャーは自身を含む、NYCから別の場所へ移った知り合いの人たちの意見、そしてちょっとしたデータを用いて「NYCは永遠に死んだ」と述べているのに対して、サインフェルドの意見は、そもそもアルタチャーの意見へのカウンターとして書かれたもので、自身の強い思いと希望をのせて「NYは終わらない」と言ってる感じです。どちらもニューヨークで活躍して、ニューヨークへの愛情はたっぷりあるように思います。

サインフェルドは文の結びで、「Because of all the real, tough New Yorkers who, unlike you, loved it and understood it, stayed and rebuilt it.」とアルタチャーに向けて言っていることを踏まえると、文中にある「Imagine being in a real war with this guy by your side.」と言う言葉は、本当の戦争だったら、”戦場から逃げ出した上に、こんな弱音をはいているやつと”一緒に戦いたくない、という意味に取りました。

僕は、どちらの意見も分かるよな、と思いました。それも、二人ともコロナ禍のニューヨークをきちんと見てきて、今だけの状況から意見を言っているのではないからだと思います。僕自身の個人的な思いとして、「So You Think New York Is ‘Dead’ (It’s not.)」は心のコアにあれど、自分自身や家族の現状を考えると、「NYC IS DEAD FOREVER」と言いたくないけど…、将来に不安を持ち続けているのは事実です。

人口は8,336,817人(コロナ禍前の2019年のNYCの推定)
市内で初の陽性患者が出た3月1日以降の陽性者238,385人
1日の陽性者の最大数は8,021人
市内で初のCOVID-19による死亡者が出た3月14日以降の死亡者23,683人
1日の最大死亡者数は810人
(8月29日時点)

この数字から、何が想像ができますか?

ニューヨークの「今」は、最悪の状況を経て、経済再開のために試行錯誤を続けている姿です。3月以降、日に日に状況が変わって、今日も変化しています。今の現状だけを見て、「ひどいね」とか、「希望を捨てるな」と言うのは簡単ですが、その時々、できることを精一杯、考えられることを一生懸命に実行してきた人たちの意見ならば、いずれも耳を傾けるべきだと僕は思います。だからこそ、どっちが正しいということではなく二つのコラムを読んで考えてみてほしいのです。
サインフェルドいいこと言うわーって思う人、アルタチャーの意見に賛同する人、どちらにも否と唱える、あるいは僕のように、どっちも分かるという人もいると思います。いずれにせよ、戦い続けてきた人は、これらかも一緒に戦っていける人だと思うんです。皆さんの意見もお聞かせください。

「Because of all the real, tough New Yorkers who, like you, loved it and understood it, stayed and rebuilt it.」
(*1)
https://www.linkedin.com/pulse/nyc-dead-forever-heres-why-james-altucher/?src=aff-lilpar&veh=aff_src.aff-lilpar_c.partners_pkw.10078_plc.Skimbit%20Ltd._pcrid.449670_learning&trk=aff_src.aff-lilpar_c.partners_pkw.10078_plc.Skimbit%20Ltd._pcrid.449670_learning&clickid=X%3Ao2aRVb0xyOWjLwUx0Mo3bxUkiQXKTEKToBV80&irgwc=1
(*2 NYタイムズ無料会員になれば読むことができます)
https://www.nytimes.com/2020/08/24/opinion/jerry-seinfeld-new-york-coronavirus.html
(*3)OP-ED(オプ・エド)とは新聞の記事のうち通常、当該紙の編集委員会の支配下にない外部の人物が、ある新聞記事に対して同じ新聞内で意見や見解(反論や異論)を述べる欄(Wikipediaから引用)

よろしければ、サポートをお願いいたします。こちらは活動費に当てさせていただきます。