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同じではないけれど同じ

 同じものを見ても、同じとは限らない。それは人についてに限らず、いろんな物事すべてにおいて。
 私とあなたが一緒に見ているもの、実は同じではない。話の中で一致していても、表現の意味が同じでないかもしれない。
 なんともわかりにくい話である。この理屈を、かつて人生で一番信頼した人物に話したら、「同じこと考えたことある」と言われた。だけど、はたして”同じ”だったのだろうか。ああ、ややこしい。

 目の前に▲がある。私の目には▲に見えている。私は▲を「三角」と呼ぶ。
 隣りにいる人も「三角」と呼ぶ。でもその人の目には■に見えている。隣の人は■を「三角」と呼んでいるので、私と会話しても齟齬が生じない。
 つまりは、目の前にあるものに形はあるのか?ってこと。概念だけが存在していて、それを人は見たいように見る。それに名前を付け、誰もが同じものを見ていることにしている。でも、そもそも形がないものだから、見えているものが同じ形をしているとは限らない。
 ▲も「角が3つあるから三角」と私は言う。隣の人も「角が3つあるね」と言う。けれど、隣の人の「角」は私の「角」と同じとは限らはないし、「3つ」も私と隣の人では異なるかもしれない。
 ……話についてこれてます? この話、どれだけ説明してもわかってもらえたのは、ただ一度きり。説明、難しい…。

 えーっと、私とあなたが目の取り換えっこをしたなら、見える世界が変わってくるかもしれないってこと。(ま、実際は目というか脳だけど)
 私の目で見たら○なもの、あなたの目で見たら△だった。でもあなたは、あなたの目で△を見てるのに○と呼ぶ。もうね、わからない人にはわからない話。そんなことを考えたことがない人には、「???」となってしまうことでしょう。
 とにかく。
 同じものを見ても同じではない。その違いから、あなたのことが少しわかる。かもしれない。たぶん。

  

  

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