リア充もどき

仕事終わりに、仕事仲間と待ち合わせ。同じ空間を共にして、普段から頭の中を占めているユーモアなワードを繋げながら、ボケやツッコミを交えて会話をする。それぞれに家庭があったり、家では何をしているか、こんな才能があったのか、別々の顔を覗かせる。

仕事中、組織の中の意思決定や、組織とは反する言動を漏らす。それぞれ抱えている事がある。理想と能力の乖離。その方向性で行くには足りない材料。賄うにも届かない頭脳。それでも何とかしていく。家庭か、プライドか、安定か、不安か、
怠さか、約束か、背景が見えてくる。大人になってしまった。

旧友達と飯にいく。久しい再会。見た目は変わらない。少し歳をとったのは確かだ。私だけが、ここ1.2年で垢抜けてしまった。成長速度が遅かったんだろう。家庭を持っているとか、出世しているとか、転職しているとか、色んな話を交わす。資本主義的には、一般的には、男と女は〜、モラハラあるあるで〜、種々の経験をしてきたから、少々の話は出来る。酒も少し入る。絡んでくる女の客に、どうせやったら連絡先交換するか?と、言葉を滑らせる。韓流顔の男が好きだからと、振られる。悲しーとか言ってバイバイする。明日には互いの顔も忘却している。既に私は思い出せない。

行きつけの店に髪を切りに行く。遅刻をしてしまう。恋愛の話をして相手の事を聞く。こんな平坦な文章とは裏腹に砕けた話をする。似合う髪型になって嬉しい。

行きつけのパン屋がある。美容室がある。バーがある。仕事先がある。めんどうな同僚も慕ってくれる部下も、可愛がってくれる上司もいる。関西圏に良いブラザーが沢山いて、色んな誘いを振ってくれたり、誘ったりする。実家にファミリーがいる。可愛い甥もいる。

私には多くがあり、培ってきたのかもしれない。ここ数年で、簡易な物を含めば、数百人とコミュニケーションを、とってきたのかもしれない。斜に構えた私は、気づいたら、なれなかったリア充になっているのかもしれない。

しかし、ぽっかりとした器。埋まるのだろうか。進んでいるのだろうか。私は。

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